循環

かぼちゃ天

表紙

4月、小学校に入学する頃に、おばあちゃんから日記帳を貰った。


「日記はね、毎日じゃなくとも書いていくと良い。楽しかった事 嬉しかった事 悲しかった事 辛かった事。 今、自分が思っていることを書き記しておくのは大切だよ。

日記には不思議な力があるから。読み返すと、何度もその日の事を体験しているみたいに、はっきり思い出せるようになる。」


「不思議な力?魔法ってこと?」


「魔法に似ているかもね。」


本なんか滅多に読まなかった当時の私は、おばあちゃんが言っていることなんてほとんど分かりやしなかった。

だけど、いつも笑顔で優しいおばあちゃんから貰った日記帳が嬉しくて、私は何かある度に文字に起こし、その都度見せていた。


___正直、『日記の不思議な力』については、ずっと考えていても分からなかった。

もう亡くなってしまったおばあちゃんに意味を聞くことは出来ないから、自分で気づくしかないのだけれど。

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