第422話 人間と〝鬼神具〟の関係
422
「私の物真似としちゃあ、たいしたものだけどね。筋肉も反応も鍛えなければついてこないんだから、反復練習が足りていない。それに見たところ、
師匠である
「ヒャッハァっ、意外な弱点があったものだぜ」
「ああ、まさかのコミュニケーション不足とはな」
満勒も黒騎士も、自らの鬼神具と良い関係を築くという点では、同世代に並ぶものがなかった。……それ故に盲点だったのだ。
「ファファ。ヒキコモリ志望と目立ちたがりニンジャが、話し合いもせずに仲良くできるわけないんだよなあ……」
「師匠?」
セグンダは何でもないと独白をやめて、満勒に向かい合った。
「満勒。〝鬼神具〟と付き合うなら、〝鬼の力〟を無理やり引き出そうとしたり、恵んでもらうのではなく、――力を合わせることが肝要なのさ。鎧と腕に慣れてきた黒騎士君はもちろん、満勒だって冒険者パーティ〝
セグンダのアドバイスに、満勒は丸太のように分厚いヒザを打った。
「なるほど、わかる気がする。俺様はムラサマと話せるが、黒騎士はどうやって意思を伝えているんだ?」
「この黒い鎧は、私の生命維持装置を兼ねているし、機械の義腕も日々一緒に過ごしている。だから、なんとなくだが、コイツらのやりたいことが伝わってくるし、強くなる為にも叶えたいと思う」
「そうでち。一緒に肩を並べて戦っていれば、分かり合えるものでち」
「そうだよな。仲間だもんなあ」
出雲桃太の親友、
日本人形めいた少女に化けた妖刀ムラサマ。
彼女の使い手である石貫満勒は、したり顔で頷きあったが――。
「ファファ。満勒も黒騎士君もムラサマちゃんも、隣の二人、
「「「え」」」
三人は、セグンダが「うしろうしろ」と口をパクパク動かして指さすので、つい振り返ってしまう。
「「「げ」」」
そこには、とんでもない光景があった。
「フホホ、可愛い可愛い
元勇者パーティ〝
「詠さま可愛いよー。抱きしめたい、匂いをかぎたい、舐めまわしたいよー」
そして、
今では冒険者パーティ〝
「二人とも、冒険者育成学校の臨時講師だった時の面影ゼロっ。確かに近づけない」
「こ、こえええよっ。夜中にトイレへいけないよ」
「か、肩を並べることと、性癖を受け入れることは別物でち」
「久蔵じいさんと、炉谷さんはお楽しみのようだから、しばらくそっとしておこう」
――――――――――
あとがき
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