第175話 協力技炸裂
175
クーデターの主犯、
「キシシシッ。地雷がどうした、肉盾で処理すればいいだけのことよ! 圧倒的な数、最高の防御力、無敵のパワーでねじふせてやる」
「酷い処理方法。命をなんだと思っているの?」
瓶底メガネをかけた少女、
「本当の地雷処理をみせてあげる。出雲君の新技、
遠亜が地雷原に投げ入れたのは、ロープで結んだ無数の爆薬だ。
カヤクバコノミから作られた地雷が新たな火種で着火して、何十何百という連鎖的な爆発が生じ、灰色鎧の騎士達を湖の外縁まで吹き飛ばした。
「なんなのだ、いったいどういうことだ。お前たちが使っている技術は、冒険者組合最大の工業力と商業力を持つ
オレンジ髪の青年、
「馬鹿馬鹿しい。何が最大の工業力に商業力だよ。盗むことしかできないドロボーは、四鳴家と〝
しかし、遠亜の親友であるサイドポニーの目立つ少女、
実のところ、〝
灰色の鎧も、オウモこと
と、これまで四鳴家が我が物顔でみせびらかした技術のすべてが、日本政府と冒険者組合が研究中だった情報を盗んだものだった。
「〝
「だ、だまれ」
心紺の指摘は真実であり、
「心紺ちゃん。もっとはっきり言ってやろう。技術の新しさなんて関係ない。四鳴啓介、貴方の頭が錆びついている上に、臆病だから負けるんだ」
その上、遠亜の煽りは
「黙れよおおっ。私こそが天に選ばれし英雄、愚民を前例のない未来へ導く、最高の革命者!!」
「啓介にできることなんて、自分を破滅に導くのがせいぜいだよ」
「傲慢な独裁者は滅びるのが、歴史の定め。今度は貴方の番だ!」
四鳴啓介は口角泡をふきながら、手元の戦力を手当たり次第に突撃させるも、柳心紺と祖平遠亜は待っていたとばかりに、連携技で迎え撃った。
「「鬼術・
天から雨のように降り注ぐ剣と、地から巻き上げる地雷と爆導策が、〝
「柳さん、祖平さんが作ってくれたチャンス、逃しはしない。我流・長巻!」
「戦闘機能選択、モード〝
心紺と遠亜が切り崩した隙をつき、桃太は衝撃の刃を振るい、黒騎士は銃弾を撃ち込んで、敵軍をさらに無力化してゆく。
啓介は、バラバラになってゆく操り人形達を見ながら、〝
「う、嘘だ。これは何かの間違い、悪夢だ」
――――――
あとがき
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