第53話 クマ国 対 勇者パーティ
53
「グヒヒ。わしはこの広く豊かな土地を奪い、王となるのだ。そして日本を、地球を変える。これぞ革命よおおっ」
「黒山が余裕だった理由はこれか。五〇発のロケット推進式グレネードなら、
元勇者パーティ〝C・H・O (サイバー・ヒーロー・オーガニゼーション)〟の団員達は、現代兵器が時代遅れの妖怪達を吹き飛ばすことを確信していた。
されど、栄彦達はすぐに思い出すことにる。
クマ国もまた、地球人類の常識から外れた異界であることに……。
「勇者を
「アラララ! 御大将カムロ様に、ヒメジで鍛錬を繰り返した、ワシらコウエン隊の強さを
「「ヒメジの地主神に願い奉る。この地を邪悪なる鬼より守りたまえ」」
カムロの指示を受けて、白馬に乗った白髪混じりの老人を先頭に、犬耳、猫耳、さまざまな姿の獣人、妖怪達が
爆風も小規模に抑えられて、有刺鉄線を揺らしたものの、地上に掘った
「地球から遠いクマ国まで
総大将らしき牛頭仮面の男カムロに至っては、光輝く盾の外側にいたものの、迫る五発の砲弾を手で受け止めてしまう。
「ば、バケモノめ、いったい何をやっている?」
「
カムロが軽く後押しするや、火を噴くロケット砲弾はくるりとUターンして、射手の元へと戻り始めた。
「いけない。
〝
「
最上位指揮官である
「うわああああ、た、たすけてくれえええ。からだがやけるうう」
ブーメランのように舞い戻った五発の砲弾には、広範囲を巻き込む
「このクズ共が、革命精神が足らんぞ馬鹿者がああっ。全員とつげえきっ!」
黒山は、損失を補おうと無謀な突撃を命じ――。
「テロリストどもの処遇は、既に日本国と打ち合わせ済みだ。アカツキは
カムロは、冷ややかに
両軍指導者の立ち居振る舞いは対照的で、ヒメジの里を巡る勝敗の天秤は、早くも傾こうとしていた。
――――――――
あとがき
お読みいただきありがとうございました。
フォローや励ましのコメント、お星様など、お気軽にいただけると幸いです(⌒▽⌒)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます