第52話 黒山隊のヒメジ侵攻
52
元冒険者省官僚にして、現テロリスト団体〝C・H・O (サイバー・ヒーロー・オーガニゼーション)〟の幹部
黒山が率いるは、〝鬼の力〟に高レベルで侵食された精鋭二〇〇人だ。彼らは
そんな無法者の中には、
「今までも民家にしか見えない建物がいくつもあったけれど、これがモンスターの巣だって?」
栄彦は、紙とガラスで手作りした双眼鏡で敵陣を調べ、
「こちらは木の杭を打ち込んで、ロープを張った程度の防衛陣地だぞ。なのに、向こう一〇〇〇メートル先には穴を掘って
なるほど迷宮の中には、地球とは異なる自然が広がり、危険な天然の難所が点在していた。
またゴブリンやオークなど、人に似たモンスターが簡単な罠を仕掛けてくる場合もあった。
しかし、今、栄彦達が相対しているのは、格好こそ獣人や妖怪に似ているが、戦国時代を連想させる鎧兜で武装した軍勢なのだ。
「グヒヒ、
ヒゲ面の中年男性である黒山は、調教したトカゲモンスターの引く四輪車に腰掛け、大ぶりのナイフを舌でびちゃびちゃと舐めながら断言した。
「テロリスト団体〝
「日本語を話して、交渉を持ちかける。あの牛仮面の男は本当にモンスターなのか、うおっ!?」
栄彦らは、クマ国のまとめ役を自称する細い男が歩き出す姿を見てどよめいた。
なぜなら、カムロの足と呼ぶべきものが全く見えなかったからだ。まるで幽霊ではないかと、周囲がざわついた。
「ぐちゃぐちゃとうるさいぞ! クマ国などという国は地球上に存在しない。亡霊の怪物め、勇者パーティ〝
黒山の命令に従い、腕を機械式の大砲に交換したサイボーグの〝
爆発音が鳴り響き、砲撃の反動を消す為に後方に噴き出したガスが、山の
「グヒヒ。わしはこの広く豊かな土地を奪い、異界の王となるのだ。そして日本を、地球を変える。これぞ革命よおおっ」
五〇発もの砲弾はどうやらロケット推進式らしく、後方に火を噴きながら、カムロや鎧具足姿の兵士達に向かって
黒山は髭に唾を散らしながら高笑いし、栄彦もまた双眼鏡を手に勝利を確信した。
「黒山リーダーが余裕だった理由はこれか。五〇発のロケット推進式グレネードなら、
――――――――
あとがき
お読みいただきありがとうございました。
フォローや励ましのコメント、お星様など、お気軽にいただけると幸いです(⌒▽⌒)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます