File047.討伐依頼
この町で昇級試験用の素材を収めるのですね。そうすれば晴れてエマお姉ちゃんとキティお姉ちゃんはBランクの冒険者ですか。
私達はまだまだ先の話ですが、色々やれることはありますので、少しずつ積み上げていかないといけませんね。
「エマお姉ちゃん、キティお姉ちゃん。Bランクおめでとう。」
「ありがとう、アリスちゃん。」
エマお姉ちゃん、頭を撫でるのはいいと思うのですが、顎の下をゴロゴロするのはちょっとちがうと思うのですが・・・自分へのご褒美ですか・・・私を巻き込まないでください・・・イリスは・・・キティお姉ちゃんに同じ事をされていますね・・・逃げられないようです・・・
「それじゃあ、お前達は先に宿に行っててくれるか?」
「あれっ?マーキスお兄ちゃんはどうするんですか?」
「んっ、俺か?ワイバーン討伐の事を詳しく聞いてくる。」
さすがリーダーですね・・・それではお言葉に甘えて私達は先に宿に行くことにしましょう。
部屋割りは・・・いつもと一緒ですか・・・
「今日は私がお姉様と一緒に寝るんです。」
「仕方ないわね・・・それじゃあ、今日はイリスちゃんがアリスちゃんと一緒ね。」
「えへへ・・・」
イリス・・・そのだらしない顔はやめなさい・・・私と一緒に寝るのが嬉しいのはいいとしますが、その顔は恥ずかしいですよ・・・
とりあえずはマーキスお兄ちゃんの帰りを待ってお祝いですね。もちろんエマお姉ちゃんとキティお姉ちゃんのBランク昇級祝いです。
イリスも少しくらいならお酒を・・・やっぱり止めておきましょうね・・・今日はイリスと同じ部屋なので介抱する身にもなってください・・・イリスは飲んだらいけませんからね。私は飲みますよ・・・そこまでの量は飲みませんけど、お付き合い程度です。マーキスお兄ちゃん達と飲んでいる時点でもう付き合いを超えているですか・・・気をつけます。でも、飲まないとは言ってませんよ。
結構騒ぎましたね・・・お祝いですから仕方ないとは思うのですが、やっぱりイリスが飲んでいたようです・・・部屋まで連れて行くだけでも大変なのですよ・・・それに、私はもう少し飲みたかったんですからね・・・
でも、可愛い妹のためですから仕方ないですね・・・
エマお姉ちゃんはこれに耐えていたのでしょうか・・・それともエマお姉ちゃんの寝付きはすごくよいとか・・・
なにかって?イリスのいびきがすごいのです・・・普段はこんな事ありませんでしたから、お酒のせいでしょうね・・・やっぱりイリスは飲んだらいけません・・・明日、しっかり言い聞かせましょう・・・
イリスのおかげで少々寝不足です・・・明け方までいびきに悩まされたんですよ・・・少し静かになって私が寝付いたと同じくらいにまたいびきをかき始めるんです・・・勘弁して欲しかったです・・・
「エマお姉ちゃん、イリスって飲んだあとはいつもああだったんですか?」
少々、エマお姉ちゃんに悪い気がしてしまいます・・・
「いびきのこと?」
「ええ、そうです・・・」
「アリスちゃんはサイレントの魔法は使えないの?」
「えっ・・・」
「気がついてなかったとかかしら?」
「はい・・・」
そうですね・・・魔法を使えばよかったんですね・・・サイレントの魔法ですね・・・しっかり使えますよ・・・これからはそうしましょう・・・
「イリス・・・」
「おはようございます、お姉様。」
すっきりした笑顔ですね・・・お酒は残っていないようですね・・・
「イリスは今後お酒は飲まないように。いいわね。」
「え~・・・そんな、横暴です・・・」
「わかったわ、その代わりイリスがお酒を飲んだときは絶対に一緒に寝ないから。いいわね。」
「えっと・・・極力飲まないようにします・・・」
私と一緒に寝るためなら飲むのを止めると言うことですか・・・良いことなのか、そうでないのか、判断に困ります・・・
「よし、みんな集まったな。」
マーキスお兄ちゃんのお話の時間です。昨日のワイバーン討伐の話でしょう。
「昨日、ギルドで正式に受注してきた。ただし、早い者勝ちみたいだ。」
「早い者勝ち?」
「ああ、最初の1匹は結構な高値で買い取られるが、2匹目からは額が下がるらしい。」
「基本価格より下がるの?」
「いや、買い取り価格は同じだが、討伐料が下がっていくらしい。」
「ワイバーンは何匹いるの?」
エマお姉ちゃん、やっぱりそこが気になりますよね・・・
「一応、確認されているのは3匹らしい。」
なるほど、最初のパーティが3匹倒してしまえばそれで終わり。残っていればまだ、討伐の依頼達成のお金は出る物の額が下がると言うことですか・・・
早めに出発して、さっさと倒してしまうのが良さそうですね。
「マーキス、それで、出発は何時にするの?」
「ああ、今日中に準備を終わらせて、明日には出発したいと思う。」
やっぱり、マーキスお兄ちゃんも早めに出発するつもりのようです。
早い者勝ちなら仕方ないですよね。
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カクヨムのコンテスト用に書き下ろした作品です。
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カクヨム
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