File022.知らない魔法

 「イリス、適当な依頼がないか見ておいてくれる?私はオークを売ってくるわ。」

 「はい、お姉様。良さそうなのがあれば受けちゃってもいいですか?」

 イリスにお願いすると変なのまで受けそうですね・・・

 「私も確認したいから、ちょっと待ってて。」



 「オークを売りたいんだけど、どこに持って行けばいいかしら?」

 「ここの裏に解体場があるからそこで買い取って貰えるわよ。」

 「ありがとうございます、行ってみます。」

 裏に解体場があるんですか・・・私達も解体を覚えた方がいいのでしょうか・・・いえ、アイテムボックスに入れちゃえばいいので解体は必要ないですね。


 「すみません、こちらでオークを買い取って貰えるって聞いてきたんですけど・・・」

 「ああ、買い取るが、どこにあるんだ?表か?」

 「いえ、ここに出せばいいですか?」

 「おまえ、アイテムボックス持ちか?」

 「ええ、一応持ってます。」

 「なら奥の作業場に出して貰えるか。そこならすぐに作業にかかれる。」

 なるほど、買い取りカウンターではなく作業場ですか。確かにそのほうが効率いいですね。

 「それじゃあ出しますね。」

 面倒ですから4匹出しちゃいましょう。氷漬けのオークです・・・

 「見事に凍ってるな・・・」

 「はい・・・色々ありまして・・・」

 「まぁ、いい・・・肉も傷んでないしな・・・1匹金貨1枚だ。それでいいか?」

 「はい、それで構いません。」

 金貨4枚貰ってイリスの所に戻りましょう。


 「お姉様、オークの討伐がありますよ。お肉です。」

 あなたはオークをお肉としか捉えてないのですか?まぁ、美味しいのですけど・・・

 「オークですか・・・私達では危ないのじゃないですか?囲まれたら危ないですよ?」

 「それはそうですけど・・・」

 「こっちのゴブリン討伐でいいじゃないですか。」

 「でも、ゴブリンは食べられませんよ・・・」

 あなたは食べることが最優先なのですか・・・お金を稼げば美味しいものも食べられますよ。

 「今回は、ゴブリン討伐にしましょう。もう少しレベルが上がったらオーク討伐もするって事で・・・」

 「分かりました・・・レベル上げですね・・・」




 ゴブリン討伐にきています。最近ゴブリンがやたら増えたそうで、討伐依頼が増えたそうです。どこかに巣でも出来たのでしょうか・・・


 引きが強いというか、運が悪いというか・・・集落ですか・・・変なの見つけちゃいましたね・・・まだ小さいですがこのままにすることは出来ませんね・・・報告に戻りましょうか・・・

 「イリス、いったん戻るわよ?」

 「お姉様、ちょっと遅かったようです・・・見つかったみたい・・・」

 何匹かこっちに向かってきますね・・・風向きがいつの間にか変わってます・・・こっちが風上になっていたのですか・・・それは見つかりますね・・・



 「イリス、さっさと片付けてギルドに報告に行くわよ。」

 「はい、集落を壊滅させて報告ですね。」

 なぜ壊滅させるのですか・・・報告が先でしょ・・・

 「紅く燃えさかる紅蓮の炎よ、我が槍となって敵を貫け・・・ファイヤーランス。」

 あっ、集落に向けて魔法放ちましたよ・・・先にこっちに来てるゴブリンを倒すんじゃないのですか・・・こっちは私任せですか・・・すでに第2射目の準備に入ってますね・・・

 仕方ないですね・・・

 「スピード、シールド、ブレス・・・」

 詠唱省略で3つほど魔法をかけてつっこみましょう・・・3匹ですか・・・

 まずは1匹目ですね・・・普通に袈裟懸けで切り倒しましょう・・・レベルがだいぶ上がったせいかゴブリンくらいならサクッと倒せますね・・・レベルって大きいですね・・・


 イリスの方に向かわせるわけにはいきませんからね、2匹目は逆袈裟で切り裂きます。あっ、1匹逃げますね・・・Gは逃がしたらダメですね・・・新しく覚えた武技を使いましょう。

 「ソニックブレード・・・」

 ちょっとかっこいいと思ってしまいました・・・剣の衝撃波が飛んでいくのですよね・・・ゴブリンの首が落ちましたね・・・いい感じです・・・

 「イリス、こっちは終わりましたよ。」

 「お姉様・・・ちょっと火が大きくなり過ぎちゃって・・・」

 周りの森に火が回りそうじゃないですか・・・調子にのりすぎです・・・

 「水魔法は?」

 「えっと、炎系の魔法の方が得意で・・・」

 覚えてないのですね・・・今度リストでも作らせましょう・・・まんべんなく覚えるよう教育です・・・

 広範囲に水を撒くのですか・・・シャワーか何かですね・・・土砂降りの雨でしょうか・・・

 「ウェザーコントロール・・・」

 こんな感じでしょうか・・・一応雨は降り始めましたね・・・やっぱり自然鎮火が1番ですね。

 「お姉様・・・何ですか、その魔法は・・・」

 「えっ?雨を降らせる魔法?」

 「その疑問形は何なんですか・・・私の知らない魔法です・・・今度教えて下さい・・・」

 イリスが知らない魔法ですか・・・私もなんとなく使いましたからね・・・雨が降ればいいなぁって感じです・・・自然と呪文名はでてきましたし・・・


 「魔法のことは後でね。とりあえずゴブリンの耳を集めちゃいましょ。」

 「・・・はい。」


 私の方はゴブリン3匹だけでしたが、イリスの方は大量ですね・・・相手の攻撃があたらない遠距離から高火力の砲撃ですからね・・・さすが賢者と言いたいところですけど・・・魔法が偏りすぎです・・・

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