春嵐

 3月、イタリアは同盟に参加したばかりのブルガリアと共同でギリシャへ侵攻を開始。


 母港タラントと艦隊の活動に必要な重油を産するアルバニアを脅かされたくない海軍と敵より優勢な空軍は地形が変わる程の猛攻を加えたが、陸軍は引き連れたアルバニアの戦意が無く軍としては消滅。


 逃亡したアルバニア兵の捜索に兵力と時間を取られ、装備は劣るが前大戦でギリシャに割譲したトラキアの奪還に燃えるブルガリア(ブルガリア、ギリシャ国境のギリシャ側は領土問題から防御陣地が構築されていたが)よりも遅いどころか艦砲射撃の届く範囲を除き逆侵攻を受ける有様である。


 已む無く国土防衛の為なら働くだろうとアルバニア軍を攻略から外して防衛に回し、ギリシャは山が多い為撃ち下ろされる砲撃に首を竦めながらイタリア陸軍は海空軍により耕された海岸部より浸透。


 退路を絶たれかねないと逆侵攻したギリシャ軍が退却し始めた月末にマタパン岬沖海戦が勃発。


 イタリアは重巡ポーラを喪失、ヴィットリオ・ヴェネトが大破。


 英軍は軽巡オライオン、グロスター、駆逐艦ヘイスティを喪失。


 イタリア海軍はレーダー/光学射撃で優位に立ち、英巡洋艦隊を痛打。


 しかし先のタラント空襲と併せて英空母に悩まされた為沿岸部以外の行動に消極的になり、空母建造に踏み切った。


 海戦の最中陸上ではユーゴスラビアでクーデターが発生。


 バルカン戦線は混沌を極め、独海軍はヴィットリオ・ヴェネトの損害からビスマルクの改修工事と空軍の支援を決定した。

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