第6話 藤壺の宮との対面
良き日を選んで
「
間違ってはいけない。彼女はまだ女御のはずだ。女同士の上、まだ幼いため
顔を上げると、周りの女房達がざわめく。
「宮さまの幼き頃によく似て・・・」
「これ、
母、桐壺更衣に瓜二つの私と藤壺の宮。私たちはそっくりだった。
「みなにこんなに似ていると言われると他人のように思えませんね。」
と藤壺の宮は微笑んでくれた。さすが、光源氏がずっと恋焦がれ追い求めづづけた初恋の君。しぐさも上品だし、黒髪は艶やかでとても長い。見とれてしまった。
「姫宮さま、
「はい。」
藤壺の宮によく似ている私は、
「
桐壺帝がくるそうだ。きっと兄、光源氏も一緒だろう。
「ご機嫌いかがかな。」
「あの、こちら、女御さまに差し上げたくて・・・」
兄が藤壺の宮に、花を渡している。これがかの花紅葉につけてもってやつか。
「光る君もこちらにいらっしゃいますか?」
父が
私は源氏物語オタク。源氏物語の流れを変えるわけにいかないのだ。
「なんと、ここは極楽浄土だろうか・・・」
桐壺帝は感極まって泣いている。平安時代の男の人ってすぐ泣くよね。父のおつきの人も父の声が聞こえて一緒に泣いているようだし。感受性が豊かだこと。まあ、好きな顔がこれだけそろっていればパラダイスなのかな。
周りの方々は、うふふと優雅に微笑んでいる。
「あなたたちはよく似通っているので、姉妹か、母子のようですね。」
藤壺の宮さまは、まだ成人したてでおっとりしたお姫様だから気にしないようだけど、母と重ねてるのバレない?いいの?
「こちらへおいでちいさな輝く日の宮」
え!?その呼称の仲間に入れないで。光る君と輝く日の宮(藤壺宮のこと)、お二人並んで美しいねで締めくくってたじゃない。現代人の感覚も残ってる私としては、古文のきらきら美しい意味の光るとか、輝くて褒められるの嫌なのに・・・。せめて
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