第34話 開店準備


「かっ、買っちった・・・」


ワタシの目の前には、右にドア、左にシャッターを有するユニットハウス


お高いお買い物でしたが、お店としても、お店以外でも、


今後何かと使えそうだと思い、即購入したワタシ


早速シャッターを上げ、ユニットハウス内を確認です



(お店にするには、室内は少し狭いよね)

(それほど人は入れそうにないから、商品は店先で販売かな?)

(それに土足で人を入れたくないもんね)

(あとは、宣伝はどうしようかな)

(看板とか?)

(でもこれから暗くなるし・・・)



お店としてどう使っていくか、どういうお店にしていくのか、算段をしていきます




そして決まった、ワタシのお店が目指すコンセプト、それはズバリ、


【暗い田舎道にポツンとあるコンビニ】



これから暗い時間帯になるので、照明は必須


その照明を、お店の中だけではなく、外からお店の建物自体も照らして、とにかく目立つようにします


(暗い田舎道にポツンとある、明るいコンビニって、とっても目立つでしょ?)

(目立ってしまえば、人が寄ってくると思うんですよね)



そして、このコンセプトに則って、再度必要なモノを購入していきます




【LEDランタン 吊り下げ可 1,750円】 お店の中のメイン照明

【LED大型ライト 屋外可 2,980円】 お店の扉の前の照明

【LEDスポットライト 屋外可 1,980円】×2 外からお店自体を照らす照明


【アルミ製折り畳みテーブル 180×60×120 4,030円】 商品陳列用

【ハイバックアウトドアチェア 2,680円】 店主の店番用


【CDMDラジカセ 9,800円】

【世界の行進曲(CD) 990円】

【ショパンピアノ名曲アルバム(CD) 990円】


【単1電池×8 860円】 照明用

【単2電池×6 540円】 ラジカセ用


【チェーン用ポール 1,290円】×3 駐車場用に買ったヤツ よく立入禁止区域に置かれているチェーンを繋いだポール

【結束バンド 200mm 100本 500円】


【ポリ袋 200枚入り 400円】 商品を入れて渡すため


【メモ用紙 無地 B7 61円】 売り上げ集計用

【黒色ボールペン 5本入り 100円】 売り上げ集計用




準備したモノの内容は、


店内及び、お店の建物自体を外から照らすためのLED照明関連のモノと、


商品陳列用のモノ等、店内で必要なモノ、


そして、BGM用のモノ


(コンビニといったら、BGM。ワタシ的に、これ、外せません!)



コンビニに入店すると、必ずといっていいほど流れている音楽


会社のテーマソング的なモノであったり、たまにクラシックが流れているときも


それをワタシも真似っこしようということです


(ワタシの好きなCDをヴィーローテしてしまうぞい!)




そして次にワタシは、DIYに取り組みます


購入したLED屋外照明は、壁や柱に取り付けて使用するタイプなので、


購入したチェーン用ポールにLED屋外照明を結束バンドで固定し、簡易な自立照明を作成します


この自作自立照明で、外からお店の建物を照らして、その存在をアピールしようという狙いです


(建物自体が輝いて目立てば、看板なんかよりもずっと人目を引く効果があると思うんだよね~)


そんなことを考えならがら、ポールを組み立てます



「このチェーン用ポールってば、確か、安定させるために下の土台部分にお水を入れて重くするんだったよね~」


そんなひとりごとをいいながら作業を進めていると、またまた勝手に現れる【買い物履歴】画面


その中央の[あなたにお勧め]には、




【簡易水道使用料 水道水 20立方メートル 4,400円】




「え? 水道水!?」


何と水道水、それも大量、20立方メートルものお水を購入できそうなのです


「これはアレだよね? 毎月の水道料金的なヤツですよね?」



自宅があった別荘地の水道は簡易水道だったので、まさしく自宅の水道料金でしょう



「・・・つまり、公共料金的なヤツも、購入履歴に残っている、ということです?」



【買い物履歴】画面の左側のメニューを確認してみます


すると、[諸経費]なる項目があり、それを展開してみると、




【簡易水道使用料 水道水 20立方メートル 4,400円】

【温泉水道使用料 温泉水 20立方メートル 2,480円】

【ガス使用料 プロパンガス 2.9立方メートル 4,378円】

【電気使用料 100V 30A電力 259kWH 5,997円】




こんなん、見つけちゃいました!


「これは、もしかして、アレですか?」

「電気とかも、買えちゃったり?」



でもよく考えると、電気を買っても、入れておく? ことができないのではないかと思えてきます


「電気? 電力? それって、どうやって溜めておくのかな?」

「電気を買っても、どうやって使えば・・・」

「うぅ~ん、ダメかな・・・」



そんなことをひとり呟いていると、またまた切り替わる[あなたにお勧め]


そこには、




【家庭用無停電電源装置 クレバーUPS 4800VA 299,900円】




(お? これはアレだよね。パソコンまわりの停電対策で買ったヤツだよね)

(結構大き目なバッテリー容量だったヤツ)

(ワタシが住んでいた別荘地は、年に数回、停電があったのよね~)

(雷だったり、倒木だったり、山間地らしい原因でね~)

(コレにはかなり活躍してもらいましたですよ)

(パソコン2台とモニター、ルータやら卓上LED照明やら、結構繋いじゃってたんだよね、コレ)


ん?

停電?

パソコン?




こちらも割とお高いモノですが、ここで勧められたのには意味があるはず


ということで、早速購入です



そして、先程の電気使用料も購入してみると、何と、UPSのバッテリーを充電することができちゃいました


「これって、もしかしなくても、凄くない?」

「電気、使えちゃうかも!」

「早速使ってみたいけど、どうしようかな」

「これを一番効率的に使うには・・・」



電気の上手な使い方を検討すべく、建物内をうろつき始めるワタシ


そして、ユニットハウスの裏手に行くと、建物自体への電力引き込み線を見つけました


朧げな記憶を頼りに、そこに充電したUPSを接続してみます


そして、ユニットハウスの照明スイッチを押してみると、


なんということでしょう、ユニットハウス備え付けのLED天井照明が点灯したではないですか!



「ヤフー! これで、このユニットハウスの照明と換気扇、そして、お部屋にあるコンセントも使えるじゃん!」


まさか、異世界に来て早々、電気を使った文化的な生活に触れることができようとは


「【買い物履歴】をくれて、ホントにありがとう!」


(ん? ワタシ、誰にお礼言ってるんだろう?)



知らないはずの誰かに、満面の笑みでお礼を言うワタシなのでした




もちろん、水道水を購入して、自作自立LED照明のポールを完成させ、


そして当初の目的のとおり、お店自体をライトアップしたのは忘れてないですよ?



闇夜に輝く、明るいコンビニ作戦、開始です!


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