第4話 状況把握


どれくらいの時間が経過したのだろう


膝をつき、女の子座りで道端に佇むワタシ


今更ながら自分の恰好がぶかぶかの濃紺のジャージ上下と体育館シューズであることに気がついた


「そういえば、体育の授業中じゃなかったっけ?」


あれ?

体育って何だっけ?

あれれ?

ワタシって、そんな若かったっけ?

あれれれ?

まあ、いいや

分かんないことは考えてもしょうがないし


[チャージ]ボタンをポチっとしたら、貧血を起こしたみたいにその場に座り込んでしまったのだが、今は目の前のショッピングサイト【大密林】の方が重要だ


気を取り直してショッピングサイトに目をむける

画面の[チャージ]ボタンの上には[チャージ魔力量【100】]と表示されている


100?

これって、見覚えがある数値

再び口ずさんでみる

「ステータス」



HP 100

MP 0

攻撃 10

防御 10

魔力 10

速度 10

幸運 10



MPが100から0に減っている

どうやら[チャージ]とはMPを溜め込む事のようだ


「つまり、買い物の対価はMP、MPで商品の代金を支払うということ?」


目線を移し、ショッピングサイトの商品を見る

画面中央に表示されている[あなたにお勧め]商品の金額は日本円で数百円~数千円程度

そして、自分のMPは最大で100

1回のチャージで100円分の買い物ができることになる


つまり

「ほとんど何も買い物できないじゃん!」


何もない草原に、ティーンエイジャー女子特有の可愛らしい叫び声が、何かを呼び寄せるように響き渡った


あれ?

ワタシの声って、こんなに甲高かったっけ?

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