彼女を見る

バブみ道日丿宮組

お題:僕の好きなにおい 制限時間:15分

 彼女の部屋に入ると、とろけるような甘いミルクのような香りがした。

 これは彼女の匂い。

 その元凶である彼女は眠ってる。

 彼女には部屋着という概念はないらしく、今日もまた下着のままベッドの上で丸まってる。その仕草だけ見ると、猫に近い。

 夏ということもあって、ベッドには掛け布団の類はない。それでもエアコンで風邪を引くだろうとは思うのだが、なかなか彼女は頷いてくれない。

 室内温度は、かなり低い。

 設定温度が20℃なのだから、それもしかたのないことだ。

 より一層掛け布団が必要な気がするが、彼女にとっての適温であるらしい。

 少し寒いというかだいぶ寒いので、彼女のクローゼットの中に僕の上着がしまわれてる。それを取り出して、羽織る。

 時間は12時を回った頃。

 そろそろ彼女は目覚める。

 その前に朝ごはんというか昼ごはんを作らなくてはいけない。キッチンに入ると、冷蔵庫から食パンを取り出して、フライパンで焼いた。他にも野菜やらを炒めてく。

「んなー」

 へんな鳴き声とともに、彼女がムクリと上半身を起こした。

「おはよう」

「ん……」

 頷くと、彼女は立ち上がって、トイレへといった。

 尿意をすませ再び姿をあらわした彼女は全裸だった。

 その手には下着がある。

 朝のはじめはいつもこうだ。

 下着を全部脱いでトイレに入り、戻ってきてはく。

 習性とは直すことができないらしく、小学校からこうだったという話だ。

 今は大学で一人暮らしをしてるのだが、その条件が僕が管理することだった。

 すっごく両親にも彼女にもお願いされた。

 彼女のことは嫌いではないし、別に困ったことにはならないので承諾した。

 僕は在宅ワークのため、どこでも仕事ができる。

 彼女の部屋にあるパソコンはほとんど僕のためにあるようなものだが、彼女自身も受注して学生のあいまに仕事をしてる。

 そのうち二台目を買おうというのだが、本当に僕のために買われてしまうのでなんとなく遠慮してるがこの間注文されてしまった。

 もう仕方ないというしかない。

 こうして今日もはじまりを迎える。

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彼女を見る バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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