勝利の剣のウラバナシ(sw2.5)
ルージュ
筋肉鬼とコロシアムの始まり
やぁみなさん、こんにちマーベラス☆
グロリアの町のギルドマスター、ゴモラよ。今日もマーベラス達に指導をしに行くわ。
あら?説明して無かったかしら?ワタシは若きマーベラスを磨くため、ギルド運営とは別に道場もしているの。生徒達はまだまだ未熟だけど、それを輝かせるのも、ワタシの役目ってワケ。
特に早く芽が出そうなのがこのメギィって子ね…。ワタシが来る前から自主練するのはいいけど、成長期に無理なトレーニングはノットマーベラスよ。ほら、疲労で足が小鹿のようじゃない。
「性が出るわね。一体いつから始めてたの?」
「ハァ…ハァ…、おはようございます。俺の事は気にしないでください、俺は早く師匠から認められたいんです…。」
「きちんと結果をだせば認めてあげるわ…でもまだ駄目。自分の体力管理すら杜撰な貴方はまだ冒険者になれないわ。」
折角マーベラスな才能を持っているのに考え方が残念ね…。
「限界まで追い込めば少しずつ強くなります。ハァ…ハァ…、依頼がおわるまでバテなければ体力管理すら必要ないんですよ…。」
「はぁ、それは一体いつになるのかしら。冒険者をナメないことね。貴方と同じくらいの年の冒険者でも、キチンとペース配分を考えてるって常に言ってるでしょう?」
「目の前の敵に全力を出さない手抜き野郎達なんかには負けませんよ。なんなら今から冒険者と決闘してきましょうか?」
「止めなさい。それでは通り魔と変わらないわ。」
血の気が多いのがたまに傷ね。思春期だしムラムラしてるんじゃない?ちゃんと発散してるのかしら…。
「じゃあ何処で俺の成長を実感すればいいんですか!師匠にはまだ全然敵わねぇし、かといって門下生程度じゃ話にならねぇ!それとも師匠が適当な奴をあてがってくれるっていうんですか?それで俺が満足できるとでも?」
そうね…。この子が満足できるほどの強さで、都合よく暇な人がいるかしら…。またグラちゃんに魔神を…。いやいや、そんなことの為に他所のギルドマスターを呼び寄せちゃいけないわよね。
「あの…師匠?急に黙ってどうしたんですか?」
それに道場内で暴れられたら床が傷だらけになってしまいそうね。いっそ戦闘用のフィールドでも作っちゃおうかしら…。
「師匠?」
…………ん?戦闘用のフィールド?
「マァァァァァァァァァァァベラァァァァァァス!!!!」
「うわぁ!?急に何ですか!?」
「貴方の言う通りよ!強さを示す場所って必要だものね!」
そうよ、どうして今まで疑問に思わなかったのかしら。この子もイライラして当然だわ!自分の力を示せたら自信に繋がるし、逆に徹底的に負けるのもいいわね。足りないものを見直すいい機会になるわ…。
「悪いけどしばらく道場は休業よ!」
「えっ?あの!どこに行くんですかー!?」
これから忙しくなるわね…。まずはドラちゃんに連絡を、いえ、ワタシが直接行った方が速いわね!早速準備しないと!
「マーベラス!これから楽しくなりそうね!」
『とある武術の達人がいた。その者は資格に関係なく、皆が自由に己の力を誇示できる場として、コロシアムを提供し、町の発展に大いに貢献したという』
~ヘンドの書、第4章外伝~
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