第8話 神様、ありがとうございます。①
俺は今、仕事で駅前にある大きなホテルに居る。
神主が仕事でホテル?と疑問に思うかもしれないが、ホテルの結婚式場には神前式も出来るように神前式用の部屋も用意されてるんだ。
今日は神前式を執り行う為、ホテルに来てる訳だ。
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式も三々九度やらの行事が恙無く進行して、もう終わりという所で、俺は今迄はしていなかった事をやってみようと思い、前に立つ新郎新婦に一歩近付く。
そして
「神の祝福を〜〜〜〜〜」
とか、それっぽい事を言い握手を求めた。
新郎新婦は二人共に、こういう流れなんだろう。って感じで手を差し出してくれる。
俺はその手を両手で包み込むように触れ、聖気を流し込む。
一期一会は大切にしないとね。
お二人さん、幸せになれよ~。
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私は竹原 咲。
私は今、自分の結婚式で白無垢を着て、神前式を執り行ってくれている神主さんの言葉を聞いている。
式は滞りなく進んでいき、最後に握手を求められ、手を差し出すと両手で包み込むように握られた。
その時、身体が温かくなり、軽くなった気がした。
式が終わった後、旦那である新郎の(倉田 隆弘)にその話をすれば、彼も気のせいかと思ったけど、そうだよな。って同意してくれた。
あれが〈ハンドパワー〉だ。な〜んて笑いあった。
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そんな事も忘れて、結婚式から2週間くらい経ったある日。
私は月経(生理)になった。
私は直ぐに病院に行きました。
何故かって?
月経がくること事態有り得ないんです。
私は20代前半で、子宮の病気になり月経が止まっており、子供が出来ない身体なんです。
だから結婚も出来るとは思ってなかったんです。
なので、違う病気にでもなったのかと思い病院に行きました。
結果は異常なし。
病院の先生も驚いていましたが、これなら自然受精出来ますよ!
と、言ってもらえました。
私は喜びましたが、旦那であるヒロ君(隆弘)にどう説明しようかと悩みました。
当然ながら、私の病気の事も知っています。
彼がどういう反応をするか?
考えたら少し怖いです。
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家に帰って、ヒロ君に今日の事を報告しました。
彼は「良かったね」と言ってはくれますが、やはり複雑そうな顔をしています。
だから私は言いました。
「ヒロ君も、もう一度検査してみようよ!」
そうです。・・・彼も私と同じで、子供が出来ない身体なんです。
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