第6話 お見舞いに行く。
奥さんと別れ、家に帰ってどういう行動をするか考える。
入院してるのは大学病院で、3日後に最終検査があり、手術という流れらしい。
それを聞いて2日後の夕方に治療しに行く事を決める。理由は治った身体に抗癌剤治療をしたらどうなるか解らないので、治してすぐの検査がベストだと思ったからだ。
後は誰の姿で病院に行くかだが、これも奥さんの話から候補がいたのでクリアした。
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大学病院の入院病室で、俺は藤田 洋平さんと面会していた。
「明日が手術前の検査と聞きましたが、体調は如何ですか?」
「先生、わざわざ見舞いに来てもらいありがとうございます。元々自覚症状があまりなかったのもあって、よく分かりませんが大丈夫だと思います。」
先生と言われてるのが俺のことで、今の姿は真由ちゃんの小学校の担任の姿になっている。
奥さんの話だと、真由ちゃんが先生にお父さんの病気を喋り、心配した先生が奥さんに確認。小学校低学年の担任だからか、凄く親身になってくれているらしい。
それから俺は当たり障りない会話をし、「そろそろ帰ります」と席を立つ。
最後に頑張ってくださいと握手しようと手を差し出す。
藤田さんも応じてくれ、握手してから病室を後にした。
何で握手かって? どうやら俺が聖気を他人に使う場合、その人に触れてないと使えないのだ。
まあ神の御使いとして伝わってる青い犬の方が凄いってことだな。
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病院に行ってから1週間後、藤田さん家族が神社に参拝しに来た。
たまたま会うことができ、話を聞くことが出来た。
検査の結果は全て異常なし。
どころか、病気になる前よりも検査数値が良かったとか。
医者は信じられない、奇跡だとか言っていたらしい。
今日は真由ちゃんが絵馬を書いてくれた事を旦那さんが聞き、神社に御礼参りに来てくれたという訳だ。
俺は凄いですね!とか、そんな事が現実にあるんですね!とか、驚いた振りをして良かったですね、なんて話をしていた。
藤田さん家族は本当に幸せそうに笑っているので、俺も治して良かったなって素直に思えたよ。
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