第19話 魔王来訪。

 オレがポーンコツ王国から脱出して二ヶ月半後…


 聖国に、魔王が三人来たんだよ。


 え?



 なぜ?


 まさか、西の魔王の仇討ち?


 だが、違った…


 西の魔王さんは、異界から来た邪神さんだったらしい。



 で、残りの魔王さんは?



 その正体は、管理者サーギー様から用済みだと、荒野に打ち捨てられた元召喚勇者達だった。


 部下の四天王も、地球出身だって…



 地球に帰ることができそうだから、やってきたみたいだ。


 まさか昔、電撃引退したとか言われていた、某スーパーアイドルグループのトップアイドルが…魔王の正体だったとは!




 あれ?


 何かとんでもない問題がありそうな、気配がしたけど…


 考えない


 考えない!


 オレは、元の世界の元の時間に戻るだけだ!




 





 そして、問題が起こる…


ポーンコツ王国である。


ポーンコツ253世が、ヌルゲー大公爵に負けたらしい。



そして、ポーンコツ253世が持っていた金を払うから、ヌルゲー大公爵の話をきけとか手紙で伝えてきた。



あのね~


オレは、早く自分の世界に帰りたいのよ!


だが、大公爵の話を聴くのが当たり前だみたいな事を大公爵の使いの奴が、ずっと言うので


「焼くのがいいのか?


 それとも凍らすか?


 泥で固めるとか?」


と言うと、やっと黙った。



やれやれ…つかれるぜ…




だが、次の日の朝は、スキル[守るもの]のアラート音が鳴ったので起きることになった!



アルト

「何事だ?」


大聖女のお付きの修道女

「ヌルゲー大公爵が、直接来たみたいです!」


北の魔王

「恐らく西の魔王が持っていた、呪具狙いだと思うよ。」



そして、やってきた…


ヌルゲー大公爵

「冒険者アルト、話を聞いてもらうぞ!


ポーンコツ253世から、報奨金を冒険者ギルドの預金口座に入れさせた。


通常価格でだ。


この世界を救う為に、働いて…」



南の魔王?(元アイドル)

「うるせー! オイ!ヌルゲー!貴様が、私をこの世界に無理矢理連れてきて、元の世界に返さなかったから、こんな事になったんだろうが!


責任取って、もらうぞ!


時間のゆらぎとか、パラドラックスとかどうするんだよ!


せっかく、やっとヒット曲が出たのに、芸能界突然引退扱いになっているじゃないか!


(ゲス! ボコ! ゲス!)」


こわ〜



ヌルゲー大公爵は、南の魔王(元アイドル)様に無言で殴られ出した。



もちろん止めない!




ヌルゲー大公爵

「ウゥ… 西の魔王の魔力を大地に流せば、それで解決するはずじゃ…


 召喚した勇者達を戻す必要なんてない!」



東の魔王

「オイ!それでは、俺たちが、帰る事が出来ないじゃないか!


 ふざけた事を、当たり前のようによくも言えたな!」




ヌルゲー大公爵

「待て! 冒険者アルト!コイツラを殺せ!報奨金を出す!だから殺せ!


 殺さないと、この世界は終わる!


 こうなれば!」


懐から黒い玉を出した大公爵だが…



「スキル[守るもの]が起動します!


約束破棄の可能性が出てきましたので、強制的・契約実行モードに移行します!。


なお、このモードになると大木 あたり本人の意志関係なく制裁・強制実行などが起動します。」




うわ〜


いつかの某大商人様が、オレを舐めて報奨金不払いとか、冤罪をかけるとか、そこの領主と組んでやりたい放題しやがったときに、このモードが起動したけど…


あの街があったところ…



未だに、焼け野原なのだよね。


でも、人はまだ住んでいる…



いや、正確に言うと逃げることが出来ない!


罪を認めて、悔い改めてオレに不利益をかけた分を、穴埋めして回復(ここ重要! 補填しただけではダメらしい)させないと、自由が無い生活になる。



そのアナウンスが流れ、大公爵の呪いの玉は砕けていった。




だが、今!!城の前の広場では大聖女が、勇者送還の儀式を始めた!


ヌルゲー大公爵

「やめろ〜!」


大聖女

「嫌ザマス! もう、管理者サーギーは逮捕された! 甘い汁を吸ってきたあんた達は、覚悟するザマス!」


そして、自分にもしものことがあったときに、大聖女の後継者を指名して、大聖女による勇者送還の儀式が始まった!



魔力が足りない!


魔王(元勇者)たちが、オレが、魔力を放出して、大聖女を支える!



あの、うるせー修道女達も、聖歌を歌い魔力を放出する。




魔法陣が光りだして、光が魔法陣を満たす時…










ビシ!ビシビシビシビシビシビシビシビシビシ!


ビシ!


上空の空間が割れた!





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る