第14話 アボカド帝国の帝都潜入記

 今、アルト達はアボカド帝国の帝都にいた!


 帝都の廃屋地下に、隠蔽と結界を何回もかけて拠点にして、勇者召喚の行われた場所とその時の関係者と術者を調べていた。


 

ミーナ

「術者は、わかりました。サーギー神殿の神官長ですね。


ただ勇者召喚は、一般公開されていて、呪文はいつもの管理者サーギー様をたたえる讚美歌だったらしいです。


その時の魔法陣は、広場にまだ残ってます。」



アルト

「あの、単なる円か?」


ミーナ

「はい。酒場で聞きましたが皆同じ事を言ってます。真贋判定スキルも、嘘だとみなしてません。」



アルト

「マジか…。


神官を捕まえるしか、無いな。


せめて、ロクでもない勇者の奴らだったが、故郷に返してやらないと…



それにしても、ものすごく魔力と言うか、大地の力が無くなった状態だな。


駄目だな!


これでは、作物も育たないな。」




ミーナ

「やはり、勇者召喚が原因なのですか?」


アルト

「それは、間違いない。


だが、そのことを管理者サーギーや、神官達と、国は隠蔽したが、ここまでひどくなると、隠蔽できないよな!」



今、帝都にいるが貴族さえ痩せていた。


そして、時々高位の貴族が商店を襲うが…


商品なんてあるわけない!



そんな、状態だな…


唯一有るのが、闇酒場であって、食べ物を持ち込んだら酒がただなので、ミーナが幻惑魔法で姿を変えて、情報収集をしてくれている。


まぁ軍資金ならぬ、食料はあるからね。


だけど、根本的な解決をしないと何も始まらないので、俺たちは食料を少しずつ食べながら勇者召喚の真実を探っていた!



夜、帝都のサーギー神殿に乗り込んだアルト…



アレ?コノ酒の匂い…


闇酒場のものだ…


あの食料…


俺たちが持ち込んだものだ…



なるほど…


闇酒場のオーナーは、神殿だったか…


だけど、管理者サーギーって酒飲まないのでは?



あ!


そういうことか!


神官達が、お酒大好きで密造酒をここで生産していたのか!


だから、なんか違う酒だな〜


匂いが微妙だな〜とは、思っていたが…



スキル[守るもの]発動!


派生スキル[完全隠蔽]を起動!



よし、俺は〜空気〜♫


お酒に、ポーンコツ王都の闇市場で手に入れた、すっご〜く喋りたくなる不思議なお薬を酒の樽に入れましょうね♫


そして、待つこと2時間…




まぁ、この帝国の暗部が出てくる出てくる!


だけど、変だな?


全く、勇者召喚についての話題が出てこないな?



あ!


神官長が自室に帰ったな!


よし、直接この薬を飲まそう!





3時間後…



神官長

「アゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ、


俺は、管理者サーギー様から言われた通り、歌を歌っていただけだ!


魔法陣は、どこか勇者召喚しているところと、連動していて、この国のあの円は、本当にただの円なんだよ!」


仮面男(アルト)

「ほ〜ら!ここに、大好きな禁じられた酒のツマミが、沢山あるぞ〜」



神官長

「ジュルルルルルル…


(よだれが止まらない)


くれ!もう、酒では腹を誤魔化すのも限界だ!


腹が減って、もう限界なんだよ!」


仮面男(アルト)

「本当の勇者召喚の魔法陣は、どこにある?」


神官長

「それは、俺もわからないんだ。


聖国ではないかと思っていたから、出張の時に確認したけど、うちと同じ単なる円だった!


あの歌で、連動するようになっていたらしい。」



仮面男(アルト)

「もうすぐ、この帝都から食べ物も無くなる。


それは、わかっているだろう?


どうするんだ?」


神官長

「ポーンコツ王国に、食料を求めているが返事がないらしい。


 なので、戦争して食料を確保するつもりだと帝王は言っていたな。」


仮面男(アルト)

「とんでもない博打を打つということか…


それよりも、他の国に逃げたほうが良くないか?」



神官長

「他の国は、既に国境を封鎖していた。


神殿間の通信だと帝国とよく似た状態で、兵力を減らさないように、国境を封鎖して他の国に侵攻するつもりらしい。」



駄目だ!


暗い未来しかない状態だな!




食べるだけ食べて、神官長が寝た。




俺も、神殿の資料室に入って調べたが、魔法陣関係は本当に何も無いな。



なんだ?


なんだって?聖国が、管理者サーギー神殿の本拠地では無いだと!


エ?


だって、そう言われているけど…


ハァ?


秘密結社が、本拠地だと!


オイオイ…


公式な神殿なのに、なぜ秘密結社なんているのだ?


おかしすぎない?


よし!全ての資料室のモノを転写(コピー)完了!


いや〜!


インベントリスキルが優秀過ぎる!




さてと!


次は帝王様の城に行くか!




その前に、アジトに帰って寝るとしよう。




だが、この判断が良かったのか?




アルトが起きたときは既に城門が破られ、反乱軍が、帝国の城に雪崩込んでいた。



ミーナ

「どうしましょう?」


アルト

「これは、チャンスだな!


城に入って、書物を回収してくる!


ミーナは留守番を頼む!」



アルトは、[守るもの]の派生スキル[周囲同化]を起動して、目立たないように反乱軍に紛れ込み、城の図書館から蔵書などを本棚ごとインベントリに収納していく!


アルト

「お!有ったぞ!転移・召喚魔法の魔導書!


もう全部収納!


アレ?なんだコレ?」


図書館の本棚の下に隠し部屋が有るのを、マップスキルが、探知した。



隠し部屋には、壁画が描かれていた。


アルト

「これは…勇者召喚?


だけど…この女神?様は?」




全く別人が描かれている。


そして…



どうも、勇者を元の世界に帰す場面が描かれているが…


アレ?


爆発した?というような、絵が描かれている。



戸棚の本は触ると崩れそう…


インベントリに収納して復元機能を稼働させる!


実は、まだポーンコツ王都の城から出た資料の、復元が終わっていない!


全並列処理をしているために、待ち時間は300時間に増えている!


まだまだ、待ち時間が増えそうだな…



壁画ごと、収納していく。


まだ、部屋の続きが有った。


アレ?


通路?


誰かが走って来るぞ?


派生スキル切り替え起動[完全隠蔽]!




走って来たのは、帝王!


遠目で見たことがあるからね。


そして、王妃?王子?


いた!嫌味な宰相だ!


何度、殺してやりたいと思ったか!



後続の人いないな…


護衛の暗殺者とか、いそうだけど…



そして、帝王を追いかける。


途中で宰相が、通路の窪みを押していくと、通路の道が変わっていく!


それを、マップスキルでリアルタイムで見るが、すげーな!


だけど、そんな技術と金が有ったのなら、なぜ国民の為に使わない…



勇者召喚なんてしなくても充分に国家運営出来たはずなのだが…。




そして、外に出たら城の近くの森の中みたいだな…


アレ…



血の匂いがするぞ!



ハァ?



そこに現れたのは、ポーンコツ253世だった!


ポーンコツ253世

「ヒャーーーーーー!


これまで、よくも俺をバカにしてくれたな!


死ね!」



こうして、俺は皇帝の名前すら知らずに、このアボカド帝国の王族はこの場で殺されたよ!


アレ?オイ!宰相だけ生きてるぞ?


アボカド帝国宰相

「見事でございます! さすが賢王様!


では、行きましょう!」



ハァ?


なんか、見事に反乱軍が有利だな~


なんて思っていたけど、黒幕は宰相だったのか!



さてと、この斬撃の一部始終も録画したから…



ハァ…


俺は、お人好しかな…


放置できないな…



帝王達だったモノを、布で包んでインベントリに入れて置いた。



後で、考えようか…


それにしても、ポーンコツ253世のヤツ…


アボカド帝国にいたのか…


どうやって、入国したのだ?



ポーンコツ253世達は、ポーンコツ王国の国境目指して移動を始めた。



俺は疲れたからアジトに戻って、ミーナな録画映像を見せて、寝ることにした。








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