第12話 やってきた押しかけ女房?その2

 町外れの隠れ家で、目を覚ましたアルト。



 フヨン?


 なんだ?


 この柔らかい感触は?


 ん?


 俺の上に、ミーナが寝ていた…



ハイーーーーーーーーーーーーーーーーーー?



なぜ?



本当にミーナか?



スキル・鑑定!(レベルMAX)起動!


□□□□□□□□□□□□□□□□


名前 ミーナ・ド・◀◇△■○▽(判読不能)


種族 オリジンエルフ


歳 20


レベル2


HP  200/250


MP 1500/3500


物理攻撃力 3

魔法攻撃力 5000



スキル

全魔法適応 対異常状態耐性AAA  天啓

アイテムボックス(中)


称号 異世界を知るもの

   この世界を救う者を探す者


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□



ハイ?



20歳?


ウソ〜ん!



どう見ても、12〜14歳だよな…


ハァ?


異世界を知るもの?


この世界を救う者を探す者?



う〜ん…


これは…


俺ではないな…


だって…


この国の政治は、ほぼ終わったようなものだからである!



魔法特化かよ…



さてと、ミーナをベットに寝かしてと、思ったらしがみついてきた。


ミーナ

「アルトさーん!なぜなんですか!


なぜなんですか!」



アルト

「あーーーーーーー、いきてたってことか?


まぁ、魔王と戦って生きてたってことだ!


で? そのな…


帰って来たら王様が、逃亡していて、その本当の理由とかを調べるためにいろいろ、潜入していたら、あのクソ前冒険者ギルドマスターを見つけて、見張っていたらお前が来て、服を脱ぎだすから、びっくりしたんだよ!


で、眠らせてお前さんは、隔離してからいろいろ聞き出したってこと。



すまんな、ゴメンな…


まさか魔法の試し打ちしたら、薬草の群生地まで延焼するとは思わなかった。」



ミーナ

「ハァ〜、そうじゃなくて!


あ!情報収集でしたか…


はい、すいません。


その…私…パーティーのリーダーな男に手籠にされそうになって、逃げたのです。


その男が、 マジメスーギ公爵の親戚の男爵の次男でして、悪い噂を流されて…」




マジメスーギ公爵アウト!



自分の部下とか傘下の者を、しっかりと監視しろとは言わないけど、犯罪放置はいけないよね。



アルト

「そろそろ、離してくれないか?」


ミーナ

「嫌です!」


アルト

「俺も、男なんだ! だから…」


ミーナ

「天啓で、あのギルド職員に誘導されないと、アルトさんに二度と会えなくなるって、言われたからやっただけです!


アルトさん! あなたの世界では20が成人ですね!


知っているのですよ!


ですので、私はこう見えても昨日で20歳なのです!


大丈夫です!犯罪ではありません!


私は、アルトさんなら大丈夫です!


お嫁さんは、この世界なら何人でも娶れます!


幸せな家族を作りましょう!


さぁ!


(グーーーーーーーーーーーーー!)」



アルト

「その前に、ご飯にしよう!


よく、この住処を知っていたな?」


ミーナ

「天啓だと言いたいですけど、違うのです。


匂いを嗅いで、探しました。」




アルト

「(ガーーーーーーーン!そうだったのか!


そうか!最近は面倒だからって、温泉に行かずに身体を拭いただけで済ましていたな…)


臭うか? すまん。」


ミーナ

「ハハ、やっぱりキレイ好きなんですね。


匂いというのは、アルトさんの魔力の匂いとか、生命力の匂いですね。」




しかし、アルトは感じていた…


理性が決壊寸前なのを…




アルト

「食事が済めばすぐに冒険者ギルドに、この薬草を納品して昇級試験を受けろ!


 隣町になるはずだから、そこで落ち合おう。


この国の貴族は皆もう駄目だ。


俺も他の召喚された勇者の事で、疑問が出てきたのと、用事があるからこの王都から離れる。


だから、他の都市に行けるD級以上の冒険者ギルド身分証がいるから、昇級試験を受けろ!」



ミーナ

「わかりました。では、冒険者ギルドに行ってきます!」



やれやれ…


なんとか、理性が保った…


これで良かったのか?



さてと、スキル[守るもの]発動!


派生スキル[封印]発動!


煩悩封印!性欲封印!と…



変な集団の気配が動いている。

一般人ではない…

来たな! 



ハァ…


前の宿を包囲してるのか…


全く敵対するなら、するって面と向かって言えよな…。



さてと、


大通りに出ると、ミーナが馬車に乗り込むところだった。



仮面をつけていたが、手を降ると首を縦に振っていたから、解るのだな!


宿の前を通る…


うわ〜


騎士が、宿を取り囲んでいるな!



ハァ…


そんなに兵力があるなら、スタンピードの時に戦えよ!この腰抜け共め!


だんだんと、コイツら貴族の私兵に対する評価は下がっていく。



さてと、冒険者ギルド到着!


では、手頃なクエストでも受けるか!



ギルドに入ると、依頼票の掲示版がある。


そこに、依頼(クエスト)があるのだが…


アレ?


無いな!


キレイに無いな!


なぜ?


受付に向かう!



そこには、騎士がたむろしていた。


うわ〜


男の汗クセーーーーーー!


は!


俺も、フロ入ろう!


そうしよう!



そんな、地味な決意をして受付に向かう。


受付嬢グータラ

「あの?アルトさん?ギルドマスターが、お呼びです。」


ハァ〜


仕方ないな…


とギルドマスター室に向かうが…


「オイ!貴様がアルトか、こっちに来い!」


なんて言う、こわ〜い声がして肩を掴む甲冑の手があった。


ギャーーーーーーーーーーーーー!



しっかりと、熱してあげたからいい汗が出るでしょう!


え?


今の技は?って?


スキル[守るもの]の派生スキルで[灼熱の守護]ってやつで、触るとそいつが灼熱地獄を味わうんだよね。


サウナ代はいりませんよ。


さてと、ギルドマスター室に入ると偉そうな男が5人もいたよ…



うわ〜


いらね〜


冒険者ギルドマスター

「すまんが、こちらの方々の話を聞いてほしいのだ。」


俺は、座らずに立つ事にした。


いつでも、戦闘してやるぞと言う態度を示す!


自称・某男爵

「アルトというのは、君だね。まぁ座り給え。


なぜ座らない。」


アルト

「あなたの指揮を受ける義務なんてありませんならね。


 それで?要件は?


 無いなら、帰りますよ!」


自称・某子爵

「指揮下ではないだと!小癪な!」


アルト

「なるほど、つまりあなたは敵だと言うことですか!」


自称・某子爵

「ウグッ!…クッ!」


自称・某公爵執事(マジメスーギ公爵執事)

「君に、我らの指揮下に入って欲しいと、頼んだらいいのかね?」


アルト

「お断りします。 そうそう…屋根から落ちた間抜け泥棒を四人も指揮するような所に誰が、喜んで指揮下に入ると思いですかな?」



自称・某公爵執事(マジメスーギ公爵執事)

「??。。。。あ!… ウグ…」



冒険者ギルドマスター

「間抜け泥棒?」


自称・某侯爵

「何が望みだ?」


アルト

「約束の実行だ!」



自称・某別の子爵

「貴様!先程から… ヒィー!ガクガク…。」



しっかりと、殺気を眼から眼に叩きこんであげました!



アルト

「では、何も依頼はないようなので、失礼します。


なお、依頼は今までの実行した依頼料と報奨金が入金されてから、受付開始にします。


それと礼節の無い者は、例え貴族様であろうと、モンスターとして扱います。


討伐すると言うことです。あしからず。



ギルドマスター!


しばらく仕事が無いようなので、第3魔境で修行中してくる!


時々付近の街に顔を出すから、伝言あるならそれらに出しておいて!


では!」




そして、さっそうとギルトを出ると、あの宿まで来ていた、女騎士がやってきた。


無視して、馬車乗り場まで行くアルト。


女騎士

「オイ!待て!貴様がアルトだな!


我が主から、お前に話がある!


こちらに来てもらおう!」


アルト

「お断りですよ、腰抜けの騎士様方!


コボルト程度で、怖い怖いと戦いに出ずに引き籠もって入れば、たくましい冒険者達が片付けてくれますからね〜!


どけ!この腰抜け共が!」



囲んだ騎士を、力の制御無しで思いっきり素手で薙ぎ払う!


ドーン!


騎士10人程が、向こうの広場の銅像に衝突した!



アルト

「うん? なんだよ!死にかけているのか…


ヒールビーム! よし! さてと、用事が無いようなので、それでは!」



女騎士

「なぜ、なぜだ!貴様は管理者サーギー様が呼んだ勇者だろうが!


 なぜ、我らの命令を聞かない!」


アルト

「別に、呼ばれたのではない!拉致されたのだよ!


腰抜けの騎士がいくら吠えようが無駄!


だいたい、勇者ではないとか言って、俺をダンジョンの底に落とすように命令したのは、貴様ら貴族様達だろ?


貴様は、うるさいし凍らすかな?」



女騎士

「貴様!私を愚弄しおっ…」


バタン!


殺気を、全開で叩きこんだら、女騎士は倒れたが、こんな事で反省するような奴らでは無いので女だと思わず、イノシシを調教するつもりで、昨日武器屋で買ったムチで思いっきり叩いた!


バシン!


ボキン!



何か変な音がしたな?


アレ?


あの女、ビクビクしているぞ!


フルプレートアーマーが、散乱している!


このムチ5000マールだったけど、すげーな!



ここで、止めておこう。


何か別の嫌な予感がする…


マルト

「全く!躾のなってない奴らだ!


そんなヤツの主など、会いたくも無いわ!」



この世界に入れられる前に、見ていたある映画のDVD作品のセリフをそのまま、使ってしまった。




そこに、豪華な馬車がやってくる。


もういや…


さっさと離れよう!



乗り合い馬車乗り場まで、歩いて行く。



「待ってくださいませんか!」


どうも、あの派手な馬車から降りた人らしいな。


アルト

「なぜ、邪魔をする!


俺を巻き込むな!利用しようとするな!


約束を守れ!」


恐らく、上位の貴族(公爵・侯爵)辺りだろうな。


だから、言ってやった!



貴族?

「私達の話を聞いてくれませんか?」


アルト

「フン! ならお前たちが狂っていない証拠でも見せてもらおう!」


貴族?

「私達が、狂っていると…」


アルト

「フン!やはり気づいてなかったか!


まぁいい!恐らく、貴様ら貴族様の誰が王になろうと、政権は3ヶ月も保たないだろうな!


モンスタースタンピードが、起こっても隠れているだけの腰抜けの騎士に、狂った貴族様方の政権なんて、3ヶ月も保てばいいほうだ!」



貴族?

「腰抜けと、言われますが私達が知った時には、もう収まってましたよ!


騎士を愚弄するのは、やめて下さい!」




アルト

「やはり、貴様も狂った貴族だと確信した。


馬もあり、武器も常に手元にあり、徒歩で現場に向かった俺よりも遅いわけがないだろう!


舐めるな!


民すら守れない貴族なんて、貴族どころか人ですらない!


単なる金を食っているモンスターだ!


モンスター同士戦うのが嫌だから、巣篭もりしていたのだろう?


まぁ、見ているよ!


4ヶ月後、この王都に来たときにどんな状態か楽しみにしておこう!」



冒険者ギルドマスター

「間に合った! 待ってくれ!アルト!こちらの方は…」



アルト

「もう、話した。4ヶ月後様子を見に来る!」



そして、アルトはさっそうと大門を飛び越えて、消えて行った。



貴族?

「私が、狂っていると…


狂っていると言うのか…


証明をしろと、


狂っていないと、証明をしろと…


どうすればいいのだ!


どうしろと言うのだ!」



その言葉が、冒険者ギルドの前で虚しく響いていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る