第3話 何が起こったのか?

 空っぽの王城…


 絨毯とか、趣味の悪い金ピカ装飾品も全て無い状態であった。


 冒険者ギルドマスター

「お前たち、冒険者ギルド代表軍が西の魔王領の最大の規模の砦を他国に先んじて陥落させたとの報が来たときから、王城の様子がおかしくなりだしてな…。」



 今は、王都?の一番大きな食堂の一番大きなテーブルで冒険者ギルドマスターと食事をしていた。


 そこに、商業ギルドのマスターがやってくる。


 護衛のやつが睨んで来たので殺気を込めて睨み返したら、震えてやがる。


 この程度で震えて、護衛なんて務まるのかよ?


 俺が、哀れな目をして、商業ギルドマスターさんを見ると…



商業ギルドマスター

「すまない、冒険者のアルト君だね。異世界勇者召喚された一人だと聞いている。


 私は、商業ギルドマスターのジャズ・ゴーと言う。


 その…いくつか聞きたいことがあるのだがいいかな?」



アルト

「構いませんが…なぜ商業ギルドマスターが?」


商業ギルドマスター護衛が、キレた事を言うが睨むと黙った。


黙るくらいなら、喋るなよ。



商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「君は、魔王討伐軍に王命で参加したのだよね?」



アルト

「違いますよ! 私は、冒険者ギルドの魔王討伐クエストを受けてのクエスト受諾としての、参加ですね。

 

 王命の方は、断りました。


 報酬すら出ない! 命は、狙われる。


 そんな、信用無い王国の命令なんて、お断りですから。」



冒険者ギルドマスター

「確かに、アルトは冒険者ギルド代表軍として、参加した。


 だが、砦でかなりの高ランク冒険者パーティー達が離脱して、アルトだけ魔王城に挑んだ!


 そう、報告を受けている。」



アルト

「そういえば、あの後冒険者ギルド代表軍は、どこに行ったのだ?


 俺が、魔王を討伐して城を出てきても誰もいなかったぞ!」


商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「何だと! それは本当か! 帝国軍に聖国軍は?」


アルト

「いなかったぞ! 各国の勇者パーティー達は魔王を見てびびって、マジックシールドを何枚も張って隠れたけど、結局シールドごと魔王に吹き飛ばされたからな~


 アイツラの遺体は、なんとか確保したが、他の兵士達の遺体すら、戦場跡になかった。


 何があったのだ?」



商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「そうだったのか! 情報は正しかったか…


連合軍は、逃げた!逃亡したのだ!


魔王城から、爆風と黒い雨の暴風雨が吹いた時に、各国の最強パーティー・騎士団・特殊部隊が地面に叩きつけられて即死だったらしい。


 かなり離れた距離から聖国の魔道具で確認された。


 まだまだ連合軍と暴風雨の距離があったので、暴風雨が来る前に転移の魔石を使い各国の軍は退却した。


 だが、その後…君が魔王を討伐したことが、魔道士達と神官達にて確認された。」



冒険者ギルドマスター

「お前のスキルで、縛られたこの国の王は報酬カウントが貯まって行くに連れて、神官に召喚担当のこの世界の管理者様に、お前のスキルでの約束事を反故にできないか、頼んだのだが…」


俺のエクストラスキルは今は、[守るもの]


その派生のスキルで、クエストなどの条件・報酬をしっかりと守らせるスキルがある。


そして、違反すると王であろうが、とんでもないことになるのだが…



商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「君を、召喚したこの世界の管理者様サーギー様は、君の世界の親族を人質にしてスキルを、解除させようと考えたらしい。


ゴブリン一匹に対して、鉄貨1枚のとんでもない安い基準で計算されていても、ついに王国の予算を超過したらしいのだ!」


ちなみに鉄貨1枚で10マール

日本円で10円


ちなみに、冒険者ギルドでの常設依頼では、

コブリン一匹銅貨1枚・1000マール

日本円で1000円


まぁ、王様の依頼価格でかなり格安で受けさせられたクエストだったのだが…



アルト

「ハァ?家族を人質?腐ってるな!


外道じゃん!人を勝手にこの世界に入れて、


魔王討伐なんて事をさせる奴だったけど、


腹が立つな!」



冒険者ギルドマスター

「これが、お前達が魔王城に入る5日前にこの王都全員が見た、夢の内容だ!」


魔導水晶玉に映し出される映像が…



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


召喚の時に、一方的に喋っていた女神?

「我は、この世界の管理者サーギー様だ!


冒険者に魔王討伐の報酬が払えないだと!


貴様ら!俺様の顔に…私の顔に泥を塗るつもり?


仕方ないわね、人質を用意してあげましょう!


うまく使って、タダ働きをさせろ!



さてと、地球!!地球!


両親と姉を…」



??

「見つけたぞ! また拉致をするつもりか!


そうは行くか!」


「逃がすか!」


「しばけ!」


「この野郎!」



管理者サーギー

「き、貴様ら!げ!お前は!ヨーなのか!


クソーーーーーー!


ギョワーーーーーーー!」


殴り合いの場面になって、フェイドアウトする夢の映像


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



何か…


アレ?


俺の友達が、殴り合いに登場したような?



冒険者ギルドマスター

「この夢の後の、全く管理者様の神託がなくなった。


 その後だ! 



ポーンコツ253世陛下が、援軍に行くなんて出兵して…。」



商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「次の日に、門番・衛兵すらいなくなった。


 そして、城が空だとわかった。


 その夢の後だが、我々王都に住むもの全てにこの、君のスキルでの束縛を意味する、この紋が浮かんだのだよ。」



アルト

「え?護衛のお兄さんも?」


首を縦に振る護衛達。


アルト

「見せてくれるか?」


冒険者ギルドマスターのものを見る。


アルト

「Markか… 俺の世界の他の国の言葉で印って意味だけど…俺のマークと似てるが…文字が俺は日本語で[印]だな。

わからねぇなぁ…


だいたい、商業ギルドと契約とかしてないから、俺のスキルが作動するようなことはないのだがな~。」



商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「わかった。何かわかれば情報が、欲しい。


あと、国王が逃げ出すほどの報酬になったみたいだが、いくらなんだ?」



冒険者ギルドマスター

「魔王単独討伐の報酬になるからな…」


アルト

「ステータス!オープン!


スキル[守るもの]の起動!


稼働中のスキルを表示!」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アルト(大木 あたり)


レベル 550


HP 86000000/86000000

MP 150000000/150000000

運 25

スキル

 気配察知 気配遮断 全魔法適正 魔力探知 マップ 武器全般 武術 巫術(new!) 霊体離脱 神聖術(new!)


エクストラスキル[守るもの]

派生


守る … 起動中 

  約束…all over this world people!(new!)


  対魔法…アルト


  対物理…アルト


  

起動中以外の者は非表示。


称号

異世界人

世界を支えてきた者の友人

魔王を倒した者



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アルト

「ハァ? レベルが凄く上がっているな!


あ!!だから、3日で森や谷を横断して、帰ってこれたのか!


あまりにも早すぎる到着だなって、


思っていたんだよ!」



冒険者ギルドマスター

「なんだ!この数字は…


道理でA級の奴らが、簡単にやられる訳だ…」


ちなみに一般人は、


商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

レベル35


HP 120/120


MP100/100


︙ 

運 75

スキル

算術レベル9  剣術 筆記 四則計算 書類製作 書類偽造 商人


エキストラスキル

天気察知


となる。



恐らく魔王を倒したことで、かなりのステータスが、上がったのだろう。


 

新派生スキル?[約束]の対象が、 all over this world people!なんて表記になっているけど?


何か、約束なんてしたか?



護衛さんにも、考えてもらう。


わからない。


とりあえず、臨時政府は元王都の各ギルドマスター達の会議で運営したら?


俺の地球って言うふるさとの世界では、そういう臨時政府の作り方もあるよ!


なんて言うとギルドマスター達も、我が意を得たりと、うなずいていた。



あーーーーーーー!そういうことか!


報酬は、元王家に請求するから、臨時政府には、魔王討伐の報酬請求しないという確約をする。


お!身体が光ったぞ!


どうも、スキルでの約束ごとの登録がされたらしい。


それを見て、ギルドマスター達も肩の荷が下りたようだ。


だけど、元王様が逃げ出すなんて…


確か、戦争税なんて5割も取っていたから、払えないはずは無いのだけどな?


ステータスプレートのスキルの項目を押すと、元ポーンコツ王国が払う予定の報酬額が表示それる。


 最低約束報酬額 358427650マール

ゴブリン1匹鉄貨1枚10マール換算。


 普通報酬額 35842765000マール

ゴブリン1匹銅貨1枚1000マール換算。


と出ていた!


ハァ?


3兆5千8百億!


ハァ…


聞いてみた!


アルト

「3兆5千8百億なんて出ましたけど、あの王様税金取ってましたから、払えますよね?」



商業ギルドマスター ジャズ・ゴー

「8000兆も金をかき集めていたから余裕でしょうね。おかしいな?


 普通報酬でも、余裕なのに…


 だいたい、あの王家の通常予算は軍隊運営費を入れても、戦時中で10億マールでお釣りが出ます。変ですね。


 わたしたちは、あなたへの報酬額がてっきり1京を超えたのかもと、思っていたのですが…」



 なんだかんだと、他のギルドマスター達が集まってきて、戦闘の報告をしてその日は宿に戻った。



 あーーーーーーー、疲れた!


 じつは、あの夢には続きがある。

 俺の数少ない友達の一人が、少ない夢の制限時間に、あの魔王戦で活躍した、ベルト式のマジックアイテムを俺に貸してくれた。


 だから、俺は生き残っている。



 ホッとして、すぐに寝た。



 


 


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