【ショートショート】桃太郎 ~有識者の会と、さまざまな配慮~【4,000字以内】

石矢天

前書き ※読まなくても支障ありません


 昔話というものは、時代に合わせてその姿を変えるものです。


 皆さんもご存知の「桃太郎」は楠山正雄氏の作品がベースとなっており、1983(昭和58)年に作られたもの。

 その原典となる物語、原型(口承文学)の発祥は室町時代末期から江戸時代初期頃と言われています。


 当然、内容もずいぶんと変わったのだとか。


 元々の話では、おばあさんが持たせてくれたものは「きびだんご」ではなく「とう団子」だったそうですね。

「とう団子」=「十団子」でして、紐や串でつなげた団子だったわけです。


 ほかにも桃太郎は桃から生まれたのではなく、夫婦が神仏頼みで子を得た話が最も古い原型だったりします。桃は関係ない。



 前置きが長くなってしまいましたが、つまり物語とは時代に合わせてその形を変えていくもの、というわけです。


 ときは令和。

 室町は、はるか遠くなりにけり。

 昭和の価値観でさえも「時代錯誤」とフルボッコにされる時代でございます。


 ならば、やはり「桃太郎」も様々な立場の皆様の意見を取り入れながら、令和の桃太郎があって然るべき。



 それでは、私と一緒に「令和の桃太郎」が出来るまでを、眺めてみましょう。

 

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