ミエル世界はひとつじゃない

水月蓮葵

一章 部屋に棲みつく霊

プロローグ


 目に映る世界はどんなものだろう?




 見える全てが色鮮やかだったら、幸せかもしれない。

 ――でも、眩しすぎるほど鮮やかだったら?



 目がチカチカして、痛くて、目を開けていることが難しいかもしれない。




 逆に見える全てがモノクロだったとしたら?



 きっと、何の面白みもなく、心を動かされることのない世界が広がっているのかもしれない。




 人によってモノの「みえ方」が違う。

 自分がみえるモノは皆同じだと思い込むことがある。逆もまたそう。


 自分のみえないモノが現実にないと、実在しないと断言できるものじゃない。


 ――この世に、絶対などないのだから。




 もし、幽霊と呼ばれる存在を見知っている人間がいて、それらを何とかする力を持っていたとしたら。



 もし、夢で未来を予知することが出来る人間が……はたまた、人の心の声が聞こえたり、人の心が視える人間がいるとしたら。




 そんな瞳を持つ人間の視る世界は一体、どんなものなのだろうか――……





 ――あなたは、どう思いますか?



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