27:アルバイト初日②

ささっと着替えを済ませ、元居た場所へ戻ると


『おぉー!!』

「ス、スミヤくん……マジでイケメンなんだね。さっきもイケメンだったけど、さらにイケメンになってるよ!」

「花火さんありがとうございます」

「ちょっ……マジで恨みたくなるんだけどーガチでイケメンすぎでしょースミヤくん」

「碧さんまで!?ありがとうございます笑」


なんと、予想以上の出来だったみたいで口々に皆から褒められた。


「スミヤくん」


何だろ?

オーナーから只ならぬ雰囲気を感じる。


「……はい!」

「これから忙しくなるよ。死ぬ気で頑張ってね」

「っ……頑張ります!!」

「オーナー!そこまで言わなくてもいいじゃないんですか?初めてなんだし」

「ふふ。そうかもしれないわねぇ……でも、海華ちゃんスミヤくん見てそう言える?」

「あー……なるほど。言えませんね!スミヤくん!マジ死ぬ気で頑張ろうね!!」

「はいぃ……!」


背筋がゾワッとしたような気がするのは気のせいだったかな?

そんなにニコニコしながら言われても死ぬ気でって怖すぎだろ。

俺の顔見てオーナーニコニコするのやめてくれないかな。

別の意味で俺、今すぐ死にそう……。


「ご愁傷様だな、スミヤ」


何でそんな哀れなものを見るような目で見てくるんだよー。


「ワ、ワカバサン?ゴシュウショウサマッテドユコトデスカ?」

「スーミーヤッ!頑張れー!!マジ念仏唱えとくねー!!」


あ、あ、あ、あぁぁぁぁぁ……碧さんまでぇぇぇぇ!!!!

目が!目だけは正直なんですよ!?

だからぁぁぁ!!

とにかく、可哀そうな人みたいな感じで見ないでもらえませんかねぇぇぇぇ?!

……俺、もうやだ。

帰る。

泣く。

ガチ泣きだわ。


「スミヤくん……駄目だよ?」


あ、やべ……バレちゃった?テヘッ☆

マジでぇぇぇ!!!

今すぐ泣くしぃぃぃぃ!!!!

てか、周り見たら皆同じ目線してんじゃぁぁぁん!!!!

エェェェェン!!!!!


「あ、ところで皆にも言えることだからねぇ?」

『ギクッ』

「知らないふりしても駄目だよ?」


ヒェェェェェ!!!!

鬼!

マジで鬼!!

オーナー=鬼

これ定着!

皆今だけは心が一つになった!!


「こんなイケメンくん居たらどのくらい売り上げ伸びるんだろうねぇ?」

「キラッ」

「だいぶ伸びるだろうねぇ」

「キラッキラッ」

「ね」

「オーナー!素晴らしいくらいに伸びると思いますよ!私頑張ります!!ね!皆も一緒頑張ろうね!!」


一人ここで裏切り者出現。

ミカさぁぁぁん!お金に目が眩むのは良くないですよ!!

目が輝きすぎです!!

ほら、皆も呆れた目で見てるじゃないですか!

気付かないんですか!?

まんまとオーナーの罠に嵌められてますよ!?

てか、ほんとにこういう人居るんだなって……今、学びましたー。

あーほんと、いい機会になりましたー。

姉貴だってさっきまで思ってたことは前言撤回で、お金が大好きな人に変更!


「ここまで来ちゃったら、無理そうだし諦めよっかー?」

『・・・』

「よーし!頑張ろうね!ほらースミヤくんも皆も頑張るぞー!!せーの!」

『オー⤵』

「あはは、流石にそうだよねー!ま、いつも通りでいこっ!!」


碧さん切り替え早いな。

チャラいのってほんとは真面目なの隠してるだけとか?

あ、こっち見た。

ん?

シーッって?

隠してるのってマジなんだ……。

すげぇ。

俺の考えたこと、すぐ気付けたなんて凄すぎだろ。

もしや、エスパー!?

んなわけないな笑

なんか、次からも色々と何かありそうだなぁ……。

まずは……死に物狂いでバイト頑張ってみるか!










―――――――

更新遅くなりましたm(__)m

次回からは働いてる場面が見られます!

誰がお客で訪れるのか想像しながら待っててください!!

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