残念なラブコメ(「G’sこえけん」向け増補改訂版)

Syu.n.

残念なラブコメ(その1)「告白」(前編)

はじめまして!


私の名前は「オキル」。華の女子大生やってます!


大学でのサークルは、好きをそのままに演劇サークルに所属。自分で言うのもなんだけど、期待の新星ってやつです。

月に2回やる定期公演では、だいたい主役クラスをやって、評判も上々。・・・やるのはほとんど、コント劇だけどね。たまには恋愛ものとかやりたい!


そんな私にも、実は好きな人がいます。


名前はパキシさん。


よく公演を観に来てくれる人。サークルのファンと言ってくれて、公演を観ては、いつも楽しそうに帰ってくれている。

個人的な関わりはないけど、いつの間にか私は、「いいな」と思うようになっていた。演劇が好きな人に、悪い人はいないからね!


・・なので、今から告白します。


多分そろそろ、彼がこの道を通る頃だと思うので。

あ、別に、調べたとかストーカーとかじゃないよ!?元々、彼の帰宅経路に定期公演会場があって、「なんだろ?」と興味を持って覗いたのが、ファンになったきっかけって、ひょんなことから耳にしたから。

公演の時はもちろん、舞台練習の時もたまに見かけたから、通る時間をだいたい知ってるだけ。本当にそれだけなんだからね!


・・・なんて言ってるうちに、彼が来た!行くね!!



「あの、・・すみません、パキシさん!」


後ろから呼び止める声に、彼が振り向く。


「あれ、オキルさんですか?演劇サークルの。」


「あ、はい、オキルです。えっと、ちょっとだけ、お話良いですか?」


「あ、うん、ちょっとでしたら。」


彼を通行人に見られないような、ちょっとした木陰に誘う。うん、周りに誰もいないな。


「あのぉ~、それで、話と言うのは・・」


「うん?」


なかなか告白できない自分に対し、彼が小首をかしげる。でもそこには、急かそうとか、不快そうなそういった雰囲気は一切ない。そんなところが「あ、やっぱ好き」となり、思い切って告白した!


「えっと、パキシさん、・・好きです!!」


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