最後のキス【凛】【カクヨム版】

私達はキスをするのに、ソファーに途中やってきていた。私は、拓夢の上に座ってキスをしていた。


「時間だな」


拓夢は、そう言ってスマホを見つめていた。


「ずっと、そうなってたの気づいてた?」


いたずらっ子みたいに私は笑って言った。


「コート着たらバレないから…。凛だってそうだろ?」


「うん」


恥ずかしそうに私は俯いて笑った。


「凄く嬉しいよ。そうなってくれてただけで、嬉しい」


「帰ったら、一人でする?」


私の言葉に拓夢は、笑った。


「そうだな!その為にもっと凛を感じなきゃ駄目だよな」


そう言って、拓夢は私をギューって引き寄せてきた。


「スカートなの、わざと?」


「違うよ」


拓夢は、私の太ももを触ってくる。


「そんな所触ったら」


「したくなる?」


「意地悪」


「意地悪なのは、凛の服装だろ?」


そう言って、拓夢は笑った。太ももを優しく撫でられながらキスをされる。


「違うよ」


「違わない」


拓夢は、そう言いながら意地悪してくる。


「拓夢、こうやって他の人にもする?」


何、焼き餅妬いてるのかな…。


「不思議と凛とした事を別の誰かにしようって思わないんだよ。だから、これは凛にだけだから…。安心して」


「焼き餅妬いてる、私」


「俺だって同じだよ!旦那さんにするんだろ?こういうの」


「しないよ。拓夢とだけ…」


「本当に?」


「本当だよ。だから、キスしよう」


そう言って、私は拓夢にキスをした。


「時間だよ」


「まだ、大丈夫だよ」


「もう少しだけだな」


「うん」


拓夢は、私の太ももから足首までを撫でてキスをしてくれる。


「んっ」


拓夢に深いキスをされて声が出てしまった。


「ヤバいわ」


唇を離すと拓夢がそう言った。私は、それを感じる。足を撫でてくる指先、全てがあの日々を思い出させる。


「もう少ししたら、用意するね」


「そうだな」


そう言って、私達は時間が来るまで繰り返した。


「今、何時?」


「23時半」


「最終電車に間に合わなくなる」


私は、拓夢から降りた。


「凛、ありがとう」


拓夢は、私を後ろから抱き締めてくれた。


「うん」


「ズボン履いてく?」


「あっ、うん」


私は、二日目に買った洋服の中からズボンを取り出して履いた。


「じゃあ、行こう」


拓夢は、立ち上がってコートを着ていた。


「大丈夫?それ?その」


「別に、大丈夫だろ?コート着るし」


「でも、ほらその」


「気にしないでいいって」


そう言って、拓夢は私の頭を優しく撫でてくれる。用意をした私と拓夢は、家を出る。


「もう、ここに拓夢はいないんだね」


「家は家だよ」


そう言って、拓夢は笑ってた。


「駅まで、手繋ごうか?」


「駄目だよ」


「いいから」


拓夢は、帽子をしっかり被って私の手を握りしめてきた。


拓夢のファンに見つかったらどうしよう。週刊紙に見つかったらどうしよう。私は、不安を抱えながらも手を握りしめた。


「旦那さんには、連絡した?」


「あっ、うん。朝起きた時に…。今日、帰るからって」


「返事は?」


「なかったよ」


私は、そう言いながら目を伏せた。

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