相談する【凛】

「お腹すいたな!」


龍ちゃんは、私と見つめ合って笑った。


「あのね…」


私は、相沢さんにされた話を龍ちゃんに伝えていた。


「いいよ!会いに行くよ」


龍ちゃんは、悩む事もせずにそう答えた。


「いいの?SNOWROSEなんか解雇になる方がいいんじゃない?」


私の言葉に龍ちゃんは私の両頬をムニュッとつねって言った。


「不倫とデビューは、別問題だろ?」


そう言って、私は頬をつねられている。


「痛いよ」


「ごめん、ごめん」


龍ちゃんは、ニコっと笑って私の頬から手を離した。


「許せるの?」


私の言葉に龍ちゃんは、何を言ってるの?って顔をして私の顔を覗き込んでくる。


「許すってのとは、違うのかな…。俺にもよくわかってないんだ」


そう言って、私の頭を撫でてくれる。


「別に行かなくてもいいんだよ…」


私の言葉に、龍ちゃんは何でって顔をしている。


「龍ちゃんが、わざわざ会う必要はないでしょ?」


「それでも、俺から何かを聞きたいんだろ?その人はさ…」


「それは、週刊誌に龍ちゃんが答えた話でしょ?」


「俺は、週刊誌の人となんて話した事はないけど…」


龍ちゃんは、そう言いながら首を傾げている。


「でも、龍ちゃんが怒ってるって書かれてたよ」


龍ちゃんは、わたしの顔を見つめてフッて笑った。


「俺は、星村さんに一度も怒ってないよ!それは、どんな記事だろうね?読んでみたいよ」


そう言いながら、龍ちゃんはニコニコニコニコ笑っている。


「龍ちゃんは、やっぱり優しいね」


私の言葉に龍ちゃんは、私の頭を撫でながら話す。


「さっきも言ったけど…。不倫とデビューは、別問題だから!凛との事で、星村さんの夢が終わっちゃうなんて事はあってはいけないと思うんだ」


「龍ちゃん…」


龍ちゃんは、私の頬を優しく撫でる。


「星村さんの夢と凛との事は、関係ない事だから…。だから、俺は、ありのままを話すよ!」


「いつにする?」


「いつだって、いいよ。休みの日なら」


そう言って、龍ちゃんは笑った。


「早い方がいいよね?」


「そうだろうね!こういうのは、早くしないとどんどん大きくなっていくだろうから…」


「それなら、今週末にしてもいい?」


「構わないよ」


龍ちゃんは、そう言ってから私を抱き締めてくれる。


「大丈夫!何も心配しなくてもいいからね」


そう言われると安心した。


「お腹すいちゃったな」


「作るね」


「今日は、手伝うよ」


龍ちゃんは、そう言って私から離れた。


「何する?」


「じゃあ、レタスちぎってくれる?シチューは、バターいれたら完成するから」


「わかった」


龍ちゃんは、野菜室からレタスを取り出して洗ってくれる。

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