あなたと過ごす日々が…
これ以上は、ないぐらいに私達は愛し合った。
「凛、死ぬって」
「だよね…」
私達は、二人とも上がった息を整えるように私達は寝転がってる。
「凛、大丈夫か?」
龍ちゃんは、そう言って私の髪を優しく撫でてくれる。
「何が?」
「そのさっきの…」
「うん、大丈夫。私は、龍ちゃんなら…」
龍ちゃんは、私の頬に手を当てる。
「星村さんが、凛の過去まで癒したんだな」
龍ちゃんは見透かしたように泣いていた。私は、何も言えなくて…
ごめんねと開こうとした唇に指を当ててきた。
「よかったよ。本当によかった。凛の過去が癒されてよかった」
どうして、そんなに優しいの?
「俺には、出来なかったから…」
私は、首を横に振った。
「龍ちゃんは、私に愛を教えてくれたんだよ。愛される事…。愛は、こんなに優しくて暖かくて幸せなものだって事を…。そして、揺るがずにここにある事を」
私の言葉に龍ちゃんは、涙を流して笑った。
「俺も役に立ってるんだな」
「当たり前だよ。龍ちゃんが一番なんだよ」
龍ちゃんより好きになれる人なんているわけないんだよ。私は、龍ちゃんを抱き締める。
「凛の役に立ってるなら、何だっていいよ」
龍ちゃんは、私を抱き締めてくれる。手に入らない願いばかりを握りしめようとしてきた。その願いばかりを大切にしてきた。
「龍ちゃん、私…」
私は、気がかりだった事を口に出していた。
「そうか…。もし、そうならそれで構わない」
龍ちゃんは、そう言って私をさらに強く抱き締めてくれる。
「いいのかな?」
「いいに決まってるよ」
この話をこれ以上する事は、やめておいた。
「いつか、答えがわかったらちゃんと言うから…」
「うん、わかった」
龍ちゃんは、そう言って私の頭を撫でてくれた。答えがわかるまで、私はその事を忘れると決めた。
「疲れちゃったね」
私の言葉に、龍ちゃんは私の頬を撫でてくれる。
「蓮見君の娘とキスしようとしたの?」
自分の事を棚にあげて聞く癖は治らなかった。
「うん。正確には、向こうからね。しようって…」
「断ったの?」
龍ちゃんは、驚いた顔で私を見つめて、「ハハハ」と笑った。
「当たり前だろ?あんな子供とキス何かしないよ!俺には、こんなに可愛い奥さんがいるんだから」
そう言って、私の唇を撫でてくる。私は、拓夢とも凛君ともしちゃったのに…。下を向こうとした私の顎を龍ちゃんが掴んだ。
「凛の苦しみや悲しみを拭えなくてごめんな。やっぱり、紙切れでもさ…夫婦ってだけで乗り越えられない事があったんだろう?それ、ちゃんとわかってるから」
龍ちゃんは、そう言って私のおでこにおでこをくっつける。龍ちゃんの優しさに溺れていく。許されない事をしてるのに、龍ちゃんはそれでも私を愛して許してくれるんだね…。
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