瓶に入ったラムネのビー玉
「はぁー」
メロンパンを食べ終わって、甘々なカフェオレを飲む。
「幸せ」
私は、小さく呟いた。
もう、母からの電話など気にしていなかった。いちいち、心を揺さぶられる人生はもうこりごりだった。
私は、ソーセージのパンを噛る。これからの人生は、幸せだって思う。だって、そうじゃなきゃ!私は、人生の
幸せと不幸は、交互にきてくれなきゃ、困るじゃない。
そう考えると私は人生の
「はぁー」
これは、さっきの幸せのため息とは違って不幸なため息。
「ごちそうさまでした」
私は、パンを食べ終わってカフェオレを飲み干してキッチンに持っていく。
いつから、こんな風になっちゃったのかな?
お皿をカチャカチャと洗ってから、洗濯機に向かった。洗濯が終わっていたのを確認してから、かごに入れて、久しぶりに庭に干しに行く。
幸せって、瓶のラムネに入ってるビー玉みたいな感じがする。真っ青にすんだ空を見上げながらふと思っていた。
あのとれそうでとれない感じ!懐かしい。久しぶりに買ったラムネは、蓋が簡単に開いて龍ちゃんが「これは、燃えないゴミだね」って笑って言った。確かに、プラスチックの容器に入っていたから「そうだね」って笑ったのを覚えてる。
小さな頃は、あんなに欲しがったビー玉が、大人になると何でこんなのが必要だったのか理解できなかった。
大人になって私が汚れたからわからないのか?ビー玉が取れなかったから必死だったのか?今でも、その問題は解けていない。
私は、パンパンとはたきながら、洗濯物を干していく。
龍ちゃんと出会ってから、色んな事の見方が変わっていった気がする。私一人では、出せなかった答えを見つけられたり。馬鹿みたいに応援されたり。溶けちゃうぐらい愛されたり。そんな風に龍ちゃんといると何かが必ず変わるから…。
私は、龍ちゃんと結婚した。洗濯物を干し終わって、私は大きく伸びをした。
「さてと、行くかー」
自分にだけ聞こえるように言って、中に入る。鍵を閉めて、洗面所にかごを置いて紙袋からスーツだけを取り出した。
キッチンで、スーツをビニールの袋に入れて寝室で服を着替えた。
「よし、行こう」
ダイニングからスマホを取って、二階に上がってから鞄を取って、私は玄関で靴を履いた。
買い物に行きます。スタイルが完成した。私は、ビニール袋を掴んで玄関を出る。玄関の鍵を閉めて、歩いた瞬間だった。
「皆月さん、もう帰ってこられたの?」
待ってましたとばかりに坂東さんが近づいてきた。
もしかして、待ち伏せされてた?
そう思わずにしかいられないほどのグッドタイミングだった。
坂東さんは、私に近づいて、もう一度こう言った。
「皆月さん、もう帰ってこられたの?」
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