龍次郎との別居生活

ブブッ


スマホが鳴って画面を見つめる。


【行ってきます。また、帰る時、連絡する】


私は、了解ってスタンプを送信した。


このままじゃいけないのは、わかってる。でも、私は龍ちゃんにごめんねを言えなかった。


私は、理沙ちゃんにメッセージを送る。


【昨日から、家庭内別居になっちゃった。ごめんね。色々してくれたのに…】


別居っていっても、お金を出してもらって、この家にいる以上はやる事はやらないとね。私は、スマホを持って一階に降りる。


とりあえず、15%だから充電して…。寝室に行って、パジャマをとってから二階に持って行く。グラスと水をいれた容器を持っておりる。お皿洗ってから、冷蔵庫を見つめる。龍ちゃんに、ご飯作って置かないと!別居してる人は、ご飯を作るのだろうか?気になるから、スマホで検索する。


「みんな作ってないのかー」


私は、スマホを見つめながら呟いた。みんな作っていなければ、作らないでいい?私は、首を横に振る。


「私が勝手に龍ちゃんと離れただけ」


このみんなのように嫌いになったわけじゃない。ただ、疑いが強いだけだ。


「作る」


私は、スマホを置いてキッチンに戻る。とりあえず、お米は五合炊いて…。日持ちを考えると、龍ちゃんの好きなカレーかな?カレーは、市販のルーを使わずにカレー缶を使う。後は、サラダ作れるよね。じゃが芋あまるから、龍ちゃんの好きなポテトサラダ、明日作ろうかなー。今日は、パプリカのサラダにしよう。って、今までと何も変わらないじゃん。


「まっ、いっか」


とりあえず、洗濯と掃除してドラマ見ちゃおう。いつも通りの日常を私は、こなしていた。キッチンで、ロールパンを温めて、ケトルでお湯を沸かす。カフェインレスの

コーヒーをいれる。私は、小さめのトレーにそれを入れてダイニングに持っていく。


「いただきます」


私は、ロールパンを噛る。


「美味しくない」


涙がポロポロ流れてくる。龍ちゃんと食べないと美味しくない。何で、触らないで何て言っちゃったのかな…。


私、馬鹿だ。


本当に馬鹿。


龍ちゃんに直接聞けばよかったんだ。あの子は、誰?って…。


そしたら、こんな事にならなかったのに…。私は、ロールパンを泣きながら無理矢理飲み込んだ。


「龍ちゃんは、若い子を選ぶのかな…」


子供が欲しいと言った龍ちゃんの気持ちを考えると、もしも若い子を選ぶなら私は別れてあげなきゃね。


「仕事、探さなきゃ…」


私は、コーヒーカップだけを持ってソファーに座ってテレビをつける。

私だけが見てるドラマを再生する。

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