メッセージ

私と龍ちゃんは、同時に言ってオムライスを食べ始める。二人で生きてくって案外楽しい気がしてきた。誰に気を使わなくてもいい。子供みたいにはしゃげて、感情きもちの赴くままに生きていける。好きな時間に好きな事をして…。さっき、龍ちゃんが言ってたみたいに行儀悪い事だって出来るんだ。


「うまいな!」


「本当、美味しいね」


「たまには、来たいね!でも、和風とかになってくのかな?」


「そうかもね」


私は、龍ちゃんと笑い合った。私達は、年老いていくだけ。周りの家族連れのようにキラキラしたような未来はなくて…。終活していくんだと思う。でも、それは悲しい生き方だろうか?人は誰しも終わりがやってくる。最後の瞬間に迷惑をかけないように、私達は誰よりも早く終わりを意識しなくちゃならない。でも、その分、気楽に過ごせるのではないだろうか?子供がいたらと考える。色んなものを残そうと考えるだろう…。そして、子供の未来を心配する。大丈夫だろうか?ちゃんと生きていけるだろうか?絶対、自分が先に死ぬのがわかってる。いなくなった後の事まで考えなきゃならない。


「うまかった」


龍ちゃんの言葉に、ぼんやりしていた景色は輪郭を取り戻した。私もボッーとしながら、スプーンを進めていた。


『ごちそうさまでした』


一緒に食べ終わった。


「行くか!」


「うん」


立ち上がって、お会計をする。龍ちゃんが支払ってくれる。店を出て、手を繋いで歩き出す。


「龍ちゃん」


「どうした?」


「ありがとう」


「別にいいよ」


「オムライスじゃなくて、色んな事」


「気にすんな」


そう言って、手を握りしめてくれる。生きるって難しい。でも、龍ちゃんとならやっぱり私。生きていけるよ。


ブー、ブー


鞄のスマホが鳴っていた。車までやってきて乗り込んだ。


「さあ、お肉屋寄って帰るか」


「うん」


龍ちゃんが、車を発進する。私は、鞄からスマホを取り出した。


【明日、6時からライブがあります。よかったら、来てくれない?】


拓夢からのメッセージだった。私は、返信しなかった。


ブー、ブー


【明日、もしかしたら当日チケット販売するかもしれない。11時半ぐらいには会場に行きたいんだけど…。凛ちゃん、大丈夫かな?】


理沙ちゃんから、メッセージが届いた。


【聞いてみる】


私は、送信した。拓夢に何て返そう。直接行って話す方がいいかな?


「ここだな!」


「高そうだね」


「高いだろうな」


龍ちゃんは、お肉屋さんで車を停める。【むらい】と書かれた看板が下がっている。凄くおしゃれな看板で、見るからに高そうな気がした。車を降りて、店内に入る。


「いらっしゃいませ」


ディスプレイされてるお肉は、どれも綺麗なお肉が並んでる。

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