電車
電車に乗って、あの公園に行く。時計を見ながら、ギリギリなのに気づいた。寝転がって泣いていたせいだ…。
切符を買って、改札を抜ける。エレベーターに乗って鏡を見つめる。おばさんだけど、まだこの色いけるね!
何て、自分を励ました。
ホームにつくと電車がやってきていて、乗り込んだ。
「昨日、見た?CM」
「見た見た」
近くで女子高生が、話してる。
「
「聞いた、聞いた!めっちゃよかった」
「今回のしんの作品ヤバいらしいよ」
「えー、いつもより?」
「いつもより!切ないんだって!今回は、希望ないかもねー」
「そんな感じした」
私は、駅について降りた。
鞄にイヤホンいれていてよかった。私は、ホームのベンチに座って検索する。
動画検索サイトのランキングの上位にあがっている。まだ、時間あるから聞いちゃおう!
再生ボタンを押した。
「お久しぶりです。
「今回は、とっておきの一曲が出来ました」
「僕達の想いを聞いて下さい。ヘレニウム」
ラジオで話してるような声が流れた。そして、画面が切り替わった。
たくさんの光で、
暫くして、サビの部分が流れ出す。
【抗えない未来を進むしか出来ずに♪絶望と希望を繰り返し歩いた♪この先にある願いに♪望んでる未来に♪どうかこの手が届きますように…】
ボーカルの人が手を伸ばして何かを掴もうとする仕草が映る。私は、それを見つめながら泣いていた。曲が終わるとまたラジオに切り替わった。
「これは、俺の大好きな人がいて!その人の悲しさとか考えて作ったんですよ」
「最初聞かされた時は、絶望しかないんじゃないって思ったんだよね!ここには絶望しかないって」
「あー、何かわかるよね。手に入らないみたいな演出にもなってるし。どんな感じで書いたの?」
「俺の中では、ちゃんと希望がありますよ!でも、それは受け取った人しだいかな?って思ったりするんですよ!わかる?」
「言いたい事は、わかるよ」
「今が苦しくて悲しくて辛くても、大丈夫って希望をもってるような歌詞を書いたつもりなんだけどね」
「まー、こっちだけ聞いちゃうと悲しいだけなのよ」
「確かに…」
「やっぱり、アヤメを聞かなきゃって話ですよね」
「それは、アルバムの宣伝みたいになっちゃってるから」
「確かに、確かに」
「動画でサビだけ、はってもらえるらしいです」
「それは、助かるよね」
拓夢が言っていた
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