第1章8話 ミミの策略
「おかしい・・・。」
魚料理が美味だった為、腹が膨れる程食べてしまった。
そして風呂とミミが言っていた鉄の大きな缶に入り、スッキリして眠りについた。
・・・はずだった。
普段ならおそらく深い眠りにつき、翌朝気持ちよく目覚めていたかもしれない。
なのに、今はどうだ?体が熱くて熱くてたまらない。
「どういうことだ?なんでこんなに・・・。」
特に下半身が熱い。先程から下半身のブツが見たことないくらいに大きくなっている。
「・・・ふへへ♡」
「なっ!?お、お前!?な、何しに来やがった!?」
熱いことに気を取られ過ぎてミミが近づいていたことに気づくのが遅れた。
ミミは一糸まとわぬ姿で腕を触ってくる。
ゾクゾクして、思考がまとまり
「ねぇ、オリバー。ここ♡辛いんじゃない?」
「お、お前、俺に何しやがった!?」
「何って、私は何もしてないよ?オリバーが興奮してるだけじゃないの?」
「そんな馬鹿なッ!?お、俺は今までこんな風になった事なんてないぞ!!?」
「え?もしかして、オリバーって子作りしたことないの!?初めてなの!!?」
「う、うるさいッ!!」
「ふへへ♡私が初めてなんだ~♡ねぇねぇ、そろそろお相手してもいい?」
「止めろ!!俺は、そんなこと!望んでない!!」
「でも~辛いんじゃないの?大丈夫だよ♡私も初めてだけど、お勉強はしっかりしているから、ね♡」
「や、やめ・・・。」
「ふへへ♡」
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!あ♡」
やってしまった。
隣で気持ちよさそうに寝ているミミを見て、深いため息を吐いてしまう。
あの後、ミミに下半身のブツを触られた瞬間、理性を失ってしまった。
気が付いたら自分の下でミミが気持ちよさそうな声をあげていた。
遅かった。理性が戻った頃には目の中にハートを浮かべていたミミとキスをしてしまっていた。
「・・・はめられた。」
「ハメたのはオリバーだけどね♡」
「・・・うるさい、黙れ。」
「そんなに怒んないでよ~。オリバーだって気持ちよかったでしょ?それでいいじゃん。」
「・・・否定はしないが、やっぱり何か食べ物に入れたんじゃないのか?」
「ううん。本当に入れてないよ。けどね・・・。」
「けど、何だよ?」
「私たちが食べたお魚はね、特別なお魚なの。」
「魚?魚は魚だろ?コロセウムにいた頃も食べていたが、こんな風になったことは無いぞ。」
「オリバーがどんなお魚を食べたのかはわからないけど、このお魚は特別なんだよ。」
「特別?魚はみんな同じじゃないのか?」
「違うよ~。私たちが違うようにお魚だって色んなお魚がいるんだよ。このお魚はね、夫婦になった者たちだけが食べれる特別なお魚なんだ。」
「夫婦だけが?・・・っていうか俺たちは夫婦じゃないだろ!!」
「もう夫婦だよ。オリバーと私は子作りしたんだからね♡」
「・・・その事に関しては少し時間を貰うとして、夫婦だけが特別に食べれる魚というのは何が特別なんだ?」
「うんとね、このお魚は食べた人を発情させやすいんだって。だから、夫婦になったら夜ご飯で食べるんだよ。」
「・・・原因はそれか。はぁ~。というか、発情させやすいって何だよ。どういうことだよ・・・。」
「よくはわからないけど、昔っからそういうものだし、ね♡」
起きてしまったことは仕方がない。夫婦になるということがどういうことかはわからないが、もし子供が出来てしまったのならば責任は取らなければならないのだろう。
だがリザードマンに会い、自分にあるかもしれない“キングの資質”を知りたいという目的も捨てるわけにはいかない。
魔王に成りたいかどうかはわからないが、魔王について知りたいとは思っているから。
「・・・なぁミミ、俺は旅を続けたいと思っている。」
「うん。」
「だから、その、な?俺はここに残ることは出来ない。すまない。」
「それで?何処に行くの?行き先はもう決まってるの?」
「え?あ、ああ。行き先は決まって無いが、湿地を探して旅をするつもりだ。」
「そっか~。わかったよ。じゃあ準備するね。村長にも許可貰わないと!」
「・・・何の話しをしてるんだ?」
「私たち夫婦の旅の話しだけど?」
「ついて、来る気か?」
「もちろんだよ。だって夫婦だし♡」
「い、いいのか?ここにはもう戻らないかもしれないんだぞ?」
「いいよ?だってここには仲間はいるけど、家族はいないもん!私の家族は今のところはオリバーだけだよ。ね!」
「・・・死ぬかもしれないんだぞ。」
「生きてる限り誰だって死ぬんだよ。私は独りぼっちや仲間の側で死ぬよりも、愛する家族の側のほうが良いんだよ。」
「わかった。今日は準備をして、明日出発しよう。」
「うん!」
一人旅だと思っていたが、仲間が出来たようだ。
仲間・・・ではないな。
仲間よりも先にどうやら妻が出来たようだ。
まだ実感はないが、これから芽生えるだろう。
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