7信用と信頼
2か月目の終わりには金庫付近へ行けるほど
信頼を寄せられるようになった。
基本的に悪の組織という場所には
優秀な人材が不足しているようだ。
だからこそ、あっさりと幹部役員たちが扱える極秘事項を
閲覧できる立場に上り詰められるのだ。
簡単であるからこそ、やっかみも多い。
(なれたけれど、
聞こえるように言われるのは作業の邪魔ね)
「枕したんじゃないか?」
「愛人になったから楽な仕事をしているのだろう」
(バカではないか思うし、実際バカなんだろうな。
まぁ、勘違いしてくれていたほうが動きやすい)
セキュリティーは最新鋭のものを搭載しているが、
いかんせん管理が追い付いていないようだ。
このセキュリティに関する部署で警戒すべきは18人中の1人のみ。
幹部候補生の
勤勉でスキがない。
この部署の中で、一番セキュリティシステムに詳しい。
彼さえいなければ、何センチ単位でセンサーを変えようがばれない自信はある。
彼は有能だ。
彼の扱うパソコンで確認できる場所の操作はしないほうが賢明だ。
一応、行動するのはその一晩だけだ。
その翌日に失踪してしまえば危害はない。
だが、このままセキュリティの面で出世や能力が上がってきては厄介になるだろう。
彼の個人データをハッキングして、
本業用のパソコンに入れておく。
障壁になりそうなものの情報収集も仕事スマートにこなすコツだ。
そのほかにケイミ―が
この会社で使えそうな奴は秘書1人くらい。
いかにも女集団のボスと言う感じ。
お喋り好きで陰口や悪口大好き。
ついでにブランドものが好きのギャルっぽい。
厄介そうな相手のメンタルを削るために使えるかもしれない。
使えるかもしれない女もいることはいるのだ。
このパソコンの管理下にある赤外線センサーを
数ミリずつずらしていく。
廊下や室内などはセンサーの数が少なく人一人の通り道は出来た。
難しいのは金庫周辺のセンサー。
幾重にも張めぐらされている。上に1ミリ、下に2ミリ横に3ミリ……
繰り返しても人が通れるようにはならない。
(あと少しなのに、どうにもならない)
赤外線を遮断してしまえばいいのだが、
そんな都合の良いものはないわけで。
超小型爆弾も、センサーの機能停止を狙う手段はすぐにばれる。
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