第3話 喫茶店
喫茶店
菅野亮祐
落ち葉も若葉だった頃を忘れてる
そんなもんさ
二人で来たこのサ店も
別れ話の舞台と化した
テレビから流れる醜聞も
広げた三面記事も
隣の男が吹かす葉巻の煙に霞む
文庫本で顔を隠して
君を見ないふりした
しびれを切らして席を立つ
ドアベルを荒々しく鳴らして出ていった
かける言葉を探す間もなく
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