掛け合い台本 博士のコーヒー

博士「どうだい、助手君。研究は順調か?」

助手「あ、はい。博士の机だと作業が捗ります」

博士「なっはは!そうであろう。何せ、私の机は何でも揃っているからな!」

助手「ただ、物が散らかっててどこに何があるのか少しわかりづらいのが難点ですがね」

博士「それは散らかしているのではない、置いているのだ!私はどこに何があるか全て把握しているぞ!」

助手「この前、「錬成用の中和石」が無いと騒いでいたのはどこの誰ですかね?」

博士「むむ、目敏い奴め…そういうところだけちゃんとしているな。錬成本の端に書いてある用量を見落としてラボを吹き飛ばしたくせに」

助手「いつの話をしてるんですか…で、何の用です?」

博士「おっと、忘れておった。ほれ、今日は久々にコーヒーを淹れてみたぞ」

助手「え…いりませんよそんなもの。いつもの紅茶でいいです…」

博士「なんじゃと…あのな、このコーヒーはそんじゃそこらのものとは訳が違うのだ。豆や淹れ方にもこだわっておる!」

助手「よくわかりませんけど…全部同じじゃないんですか?」

博士「全然違う。それに私が入れているのだ、不味い訳がなかろう」

助手「はぁ…しょうがないですね…」

博士「む、飲む気になったか?あぁ、やけどには気をつけろよ」

助手「一口だけですからね、ゴク…ブハッ!オエェ…ゲホッゲホッ!」

博士「あぁ、やっぱりダメじゃったか」

助手「ゲホッ、今やっぱりって言いました!?ねぇ!!」

博士「やはり助手君は、まだまだ子供舌じゃの」

助手「子供舌で何が悪いんですか、もう!」

博士「それにしても、せっかくの美味しいコーヒーだというのにどうしてそこまで不味そうに出来るのか…え、まっず」

助手「ほらみてください!僕の舌は間違ってなかったんですよ!」

博士「おかしい…ちゃんと上質な豆を使い、本に書いてあった通りに入れたのに…」

助手「一応聞きますけど、その豆を取り寄せたのいつですか…?」

博士「む、2年前じゃが」

助手「そりゃ不味いに決まってますって…」

博士「え!?豆って劣化するんだっけ…!?」

助手「博士、ちょっと休んだ方がいいんじゃないですか」










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