「苦」

@takamurabe

第1話

はじめに

この度は本作品「苦」をご覧いただきありがとうございます。

早速ですが皆さんにとっての「苦」はなんでしょうか?病気でしょうか?死ぬ事でしょうか?それとも生きている事でしょうか?人それぞれ違うと思います。本作はそんな「苦」と永遠に、闘った男性の話です。



「はぁはぁ、」真夏の日差しの下走ってるのは〇〇県〇〇市に住むRだ。

「早く来いよ。」急かすのはHだ。「本当にとろいなww」馬鹿にするのはA、「だって体弱いもんな」追い打ちをかけるのがT


いつもこの4人でいるのが日常だ。今は学校を途中で抜け出しTの家へ向かっている途中。

そう、彼らはいわゆる不良少年だ。

タバコに火をつけAが言う「Rお前牛乳飲んでみろよw」「え?牛乳飲めないの?wまさかそんな事は無いよな?w」Hが白々しく質問する。R 「アレルギーだよ!お前ら分かってるだろw」T「あっそうか、お前アレルギー持ちなのに不良やってんだもんなww」

この卑劣な差別の会話が彼らの日常だ。

Rは生まれつきアトピーで多くのアレルギー持つ。それを彼らは嘲笑っているのだ。

だがRはそんな事全く思っていなくこれが彼ら3人の愛情表現だと。これが地元のノリだと。そう思っているのだ。


…と10年も前のことを思い出しているR


冷たいコンクリートの床に潮風で揺れるシャッターの音、古く使われていない機械の錆やカビの匂い、目の前にいる3人の友達。五感を通して今の危機的状況を感じられる。

今の彼らの状況はこうだ。

Rは高校卒業後陸上自衛官に、AとHは高校卒業後一般企業に就職、Tは大学へ進学し卒業後フリーター。

久しぶりに4人で酒でも飲もうと呼びかけたのはHだ。集まる事になった日はたまたまRの誕生日だった。「ありがとうございました〜またお越しください。」1軒目の居酒屋から出た4人、「2軒目だけど少し歩くんだが隠れ家的なBARがあるんだ」口を開いたのはA。「んじゃあ行ってみようか」

珍しい、めんどくさがり屋のTがノリ気だ。Hが言う「んじゃあ港経由で歩いていこうぜ」


なぜ?2軒目のBARはこのまま歓楽街を通過すれば徒歩でも10分〜15分で着くような場所にある、港経由で歩いて行ったら30分はかかるはずだが誰も疑問を持たない。もちろんRもだ


R「まさか俺らがこんなおっさんみたいに歓楽街を練り歩くなんてなww」

A「Rさん!2軒目ゴチになりやす!」

HとT「ちっす!w」

港にある倉庫の横を歩いている途中Rが「しょうがねぇな!俺の奢りだ!」と口を開こうとした刹那 ゴツッ!!とRの後頭部に衝撃が走った。視界がぼやける、血の匂いが鼻を駆け巡る最中3人の奇声とも取れるような笑い声が聞こえてきた。

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