信仰

祖父母は結婚してから信仰を持った。

熱心な信者だった。

戦争があった頃、その宗教は「草の根運動」と名付け

信者を増やす活動が盛んに行われた。


草の根が地面に伸びるように信者を増やす目的で名付けられたらしい。


この時代の信者はものすごい信念がある。

この信仰が正しい、これだけが正しい

それを貫くために

他の信仰はダメだ、地獄に落ちる、幸せになるにはこの信仰しかない

そう言って、改宗させる。


戦争が終わり、時代が変わってきても特に祖父は「草の根運動」精神は揺るがない。


他の信仰をしている人を改宗させ

政党を持つようになると、選挙活動へ祖母と共に全国の友のもとへ行った。


追い出されても、暴言を吐かれても

「いいことをすると、逆風が吹くから」と

迫害されると、ますますそれから力をもらっている様子があった。


一番正しい信仰をしているという誇りが祖父母にはあった。

肺病をこの信仰で治したという経験が、特に祖父には一番の武器だった。

だから、みんながこの信仰をすべきだと熱く語っていた。

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