講師ジェラシー
Take_Mikuru
爆発講師
「それでストロングマンは自分を犠牲にして限界まで戦うんだよ!」
「え~!早く見たい!」
「イワッチはその前に勉強だけどね~」
「いやぁ!もう分かってるよぉ~!」
「はーい、それじゃあ教材の内容に戻るよ~」
そう言われて岩本さんが嬉しっそーに笑い声を上げているのが聞こえてきた。
いつもこの2人は仲良さっそうに話していやがる。
隣のブースで聞いていて心っ底忌々しい。
しかもアニメは俺の得意分野だ。
あいつのじゃない。
オレノ!
トクイブンヤ!
ダァァァァ!!!!!!!!!!
「いやそれ、違いますよ?!」
って言いながら会話に乱入したいが、
そんなことをしたら寧ろ俺が白い目で見られることになるため、
三ヶ月経った今でもそれをできないでいる。
日に日にストレスが溜まっていく一方だ。
「はーい、じゃあ残りは宿題ねー」
「うん!ありがとうございましたー!」
「いや何がうんだよ」
「ははは!」
また岩本さんのこの上なく楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
彼女が荷物を持って教室の出口に向かっていくと、
奴が何事もなかったかのように次の授業の準備をしている音が聞こえてきた。
こういうところがマジで気にくわない。
いつもいつもクールに決めやがって、
調子に乗るのもいい加減にしろ!!!!
俺はポケットに忍ばせていたマチューテを取り出し、
隣のブースに侵入すると、
思いっきり石井に振りかざした。
このようなことを全く予想だにしていなかった石井は呆気なく頭を真っ二つに切られ、大量の血を流しながら床に倒れ込んだ。
一瞬にして周りから悲鳴が上がり、
出口の方を見ると、
顔面蒼白の岩本さんが大きく目を見開いてこちらを見つめているではないか。
俺は興奮して、
さらにマチューテを、
それはもう何度も何度も石井の顔面に振りかざした。
俺のマチューテが石井を切り裂く度に大きな歓声とも呼べる絶叫が聞こえ、
俺は世界一のスターになった気分で石井を血まみれにしていった。
石井切り裂きショーを続けていると、
周りの講師やガタイのいい男子生徒が俺を取り囲んできたので、
そいつらもマチューテで切り裂こうとしたが、
塾長に見事な右フックを入れられ、
俺は石井の隣に倒れ込んでしまった。
石井から溢れ出る血に俺の髪がジトーっと濡らされていく。
うえー、と不快感を丸出しにしていると、
頭上にマチューテを持った塾長が立っていた。
泣き言の1つでも言ってやろうと口を開いたところで、
思わぬ形で事態が好転した。
なんと、塾長がマチューテをいつの間にか隣に来ていた岩本さんに手渡したのだ。
都合よくことが運ぶものだと思いながら岩本さんを見つめていると、
岩本さんは憎しみで涙を流しながら大きくマチューテを振りかぶった。
「君に殺されるなら本望だよ」
動揺させようと言い放つと、
目標達成、彼女は「え?」と言わんばかりの表情で一瞬動きを止めた!
よっしゃい!今こそチャンス!チャンスは常に今!
俺はもう片方のポケットに忍ばせていた携帯型火炎放射器を取り出し、
発射口を岩本さんに向け、
勢いよく火を放ってやった。
火を放つ直前に塾長が何かを甲高い声で叫んでいたが、
一瞬にして炎の凄まじい轟ぎにかき消された。
身の周りがアホみたいに熱くなり、
さすがに炎を弱めると、
目の前の岩本や塾長、さらには4~5人の他のクズ講師が丸焦げ状態で棒立ちしていた。
既に表情に生気はなく、完全に死んでいる。
でもそれなのにここまで堂々と立っていられるのはクソウザイため、
俺は血でベトベトになった体を奮い立たせて立ち上がり、
塾長には右フック、
岩本に関しては顔面を掴んで思いっきり地面に叩きつけてやった。
他のクソ講師どもは適当に蹴ったり殴ったりして地面に倒した。
遠くからサイレンの音が聞こえてくる。
誰かが警察を呼んだらしい。
死んじまえ。
誰だか知らねーけどよおおお!!!
とっとと死んじまえええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!
俺は恐怖で立ちすくんでいる生徒達に向かって全力で走りながら炎を解き放った。
講師ジェラシー Take_Mikuru @Take_Mikuru
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