第33話 『異王』メグル

 聖樹の所からみんなが帰ってきた。それと同時に、大勢のゴブリンが目の前にずらっと並んでいる。

「総員、王の下に到着した。忠誠を示せ。」

 一気にゴブリンがひざまづいた。それはそれは揃っていた。

「我らが新たな王よ。我々に貴方様の、有り難きお名前を!」

 何が何だかわからないけど、言わなきゃいけない感じか?

〈メグルだけど…

「皆のもの復唱せよ。」

「「「異王メグル様に栄光あれ!!!」」」

〈ちょっと何が何だかわからないんだけど説明してくれない?

「はっ。メグル様は、先の王に勝利いたしました。それに伴い、ゴブリン一族の王位が継承なされました。ですので、我々はメグル様の下へ行進して参ったということでございます。」

〈僕が倒したってことはわかるの?

「はい。我々の本能によって王位が渡ったものがいる方向がはっきりわかります。」

〈うーん。ゴブリン一族が加わってくれるのは助かるのだけど、そうなると食糧とか寝床とか足りなくなるかな?

「命令をいただければ、食糧や寝床の確保をいたします。ですが、我々はエリートゴブリンとゴブリンによって構成されており、大多数を占めるゴブリンには難しい命令を実行することはできないので、簡単なものである方が成功率が高くなるかと。」

〈そうだね。普通のゴブリンって教育したら学習するかな?

「時間はかかりますが可能であると思います。」

 それなら、みんなに相談して了承してくれたら仲間にしてもいいかもな。

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