第25話 緊急事態

 日が暮れてきたし、夜営の準備を始めようかな。まずは、周りの安全を確認してっと。あれ、みんなの方に大きなゴブリンが近づいてきている。

〈みんな、そっちにゴブリンが近づいてきているから気をつけて。

 って、僕の方にも強そうなやつが近づいてきているけど流石に、狙ってるの僕じゃないよね。一応、魔力感知を使ってみるか。

 あ。こっちに向かって魔法ためてますね。やべ、打ってきた。

〈みんな。僕の方にも敵来たから、サポート出来ないかも。

 魔力で壁を作って守れないか。

(『結界魔法LV1 壁』を習得しました。)

 よし、成功した。

「あらあら。木とはいえ舐めていました。あなたそこまでやるとは。評価の修正をしなければなりませんね。」

〈お前は何者だ。

「あら、念話が使えるだなんて。しかも、わかりにくいようにわざわざ魔力を遠回りさせてからだなんてね。でも無駄よ。私は、ゴブリン一の魔法使いとでもいえばいいかしら。」

 一応、反対方向から聞こえるように念話してみたけど。無駄だったみたいだね。

「一つだけ教えてあげる。私たちゴブリンって普通の生き物より夜目が効くのよ。さあ、日が暮れたらあなたのお仲間はどうなってしまうかしらね。」

 この時間に来て、焦らせるつもりだったのか。これは、手強い相手かもしれない。しかも、時間制限があるからゆっくりもしてられない。

「さあ、始めましょうか。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る