Fossil

292ki

痴情のもつれで山に埋められてもう数年になる。

生前はイケメン!抱いて!とモテモテだったナイスフェイスの面影は何処いずこ。顔を構築していた肉やら血管はドロドロに溶けて今や土の養分としてよろしくやっている。

無惨、そこに残ったのは骨+天国にも地獄にも行けずにその場に留まった魂だけである。

そう、魂。所謂地縛霊というのが現在の私の状態なのだった。人生、山あり谷あり小説より奇なりだね。もう終わってるけど。

地縛霊というか、幽霊なんてモノに自分がなるのは意外ではあったが、生前の最期を思い返すと納得も出来る。

恋人との別れ話が拗れてそこらにあった固いものでゴン。その後車でガタガタ揺られて、地元民が冗談でネタにする山に穴掘ってドンされて土盛られてデスである。未練が何個も見つかる見つかる。

まあ、なっちゃったもんは仕方ないよね〜と早々に諦観と楽観で虫達と土の中暮らしを初めて早数年。

驚くことに、同居人が増えました。

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