初恋
縹田ゆう
寂
寂しい。
どうしてかと理由を問われれば上手く答えられないが、なんとなく寂しさを感じている。
寒いと感じるほど冷房の効いた部屋にいるから寂しいのだろうか。否、冷房が故障した時だってその感情は変わらない。
何も考えない時間が好きだ。
時間に追われる生活は嫌いだ。
時間に追われていると、寂しさが増していくような気がするから。
きっと、何事も上手くこなせない自分に哀しくなるのだろう。努力しないことが全ての原因であることは理解しているのに。
現に今だって、本当は試験の勉強をしなければならない。
やりたくないと放っていたせいで、どうしようもないところまで来ている。
机に向けた視線は、置かれた参考書を通り過ぎて別の何かに向かっている。
飽きた証拠だ。
やはり、努力するのは苦手だ。
受け身の人生が楽だ。
家はある。家族はいる。温かいご飯もある。
何も不自由のない生活のはずなのに。
どこか欠けているような気がするのは何故だろうか。
何をしたら満たされるのか分からない。
どこへ行こうが、誰と過ごそうが。どこか心は空っぽで、自分は欠陥品なんじゃないかと思わせてくる。
寂しさなんて微塵も感じていなかったあの無邪気な自分は何処へ逝ってしまったのだろうか。
誰かを愛せない僕は誰でもいいから相手を見つければ良いのだろう。
しかし、努力のできない僕の身体は汚いままだ。
そんな状態の僕を満たしてくれる人なんていない。
Win-Winの関係でしか人は動かないから。
嗚呼、こんな文を書いていても、自分がどうしようもなく我儘なダメ人間だということしか分からない。
もういっそ、ダメ人間で構わない。我儘だって構わない。
だって、人間というのはそういう者だろう?
一夜限りで構わないから、誰か僕をこの寂しさから満たしてくれ。
欠陥品の僕に、満足というものを教えてくれ。
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