デュアリング!
汐谷九太郎
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「今、なんて言いました……?」
相対する
「退学だよ。た・い・が・く。この学園も君みたいなお荷物を養っていられるほどお人好しじゃないみたいだね」
「そんな……」
少年は愕然とした。
「だって俺、この学園に入るために必死で頑張ったんですよ? 勉強もして、親も説得して――」
「いや、まあ。君の努力は否定しないよ? けどここでは実績が全て。そういう意味じゃ、ここでの君の価値は無いに等しいのさ。自分でも分かっているだろう? 君自身の成績をさ」
「う……」
言い返せずに押し黙る。
こんなはずでは無かった。薔薇色とは言わないまでも、充実した学園生活が待っているはずだったのだ。
そのためにここまでやって来たと言うのに――。
少し空いた窓から流れる隙間風がカーテンを揺らす。
琢磨は力なく足元に視線を落とした。
夢にまで見た学園生活は、入学三か月目にして終わりを迎えようとしていた。
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