女性の怪異が見せる仕草や、悲し気な台詞、そして奥山の描写ひとつひとつがどれも雰囲気満点できっちり日本の怪談として成立している所が素晴らしかったです。
それでいて、若者向けに「対妖怪の組織」や特殊能力といった要素を織り交ぜて現代風にしてあるのもポイントが高いと感じました。
元は人であったとしても、何百年も山奥で暮らしている怪異がまともな感性を保てているはずもありません。されど、元は人であったのなら何か通じる情もあるのではないか……ただ戦って退治するのではなく、そうした情けに踏み込んで解決の道を探っていく展開が実に日本風で我々向けでした。
怪談や人外の恋愛もの、そして昨今のオカルト作品が好きであれば是非!