第5話 異世界での散歩が始まった。(新型コロナ編)

コロナの第一波の時、僕は朝晩散歩をした。

健康のため?

ダイエットのため??


そんな高尚なものではない。

正直いって、完全な暇つぶしだ。


昼寝をするために、夜に深眠をとるために、

朝晩散歩をしていた。


当時はジムも全館休業、フットサルなどの活動もなく、柔道の道場までもがしまっていた。

普段はろくに運動しないで暴飲暴食をしているくせに、、、

こういう時は、、

運動がしたくなる。


自分のひねくれ具合は、少し恥ずかしい。


でも、コロナ禍での散歩は最高に楽しかった。


僕が当時住んでいたのは、横浜市中区(関内駅の近く)だ。

徒歩圏内に、横浜公園(横浜スタジアム)、中華街、赤レンガ倉庫、みなとみらい、山下公園、港の見える丘公園などが立ち並ぶ。


人混みが嫌いな僕は、ずっと横浜に住んでいても、滅多なことでは観光地には行かない。


しかし、、

この期間は、どこに行っても誰も歩いていない。

みなとみらいや中華街を独り占めした気分だ。


たった一人で、夜のみなとみらいや中華街に佇む中年。

絵にはならないが、本人は幻想的な気分だった。


この時ばかりはまるで観光客のように写真を撮った。

そして、友人に迷惑なくらい送った。


特に目的はないが・・・

暇だった。


あんなに豪勢な散歩は生涯2度と味わえないかもしれない。


誰もいない横浜市のお散歩は、

僕の心の中に、プライスレスな思い出として残り続けるだろう。

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