第34話 ライバルの出現は突然に!④

正くんからの提案をまとめるとこうだ。


正くんか俺のどちらか片方が隠れて、杏奈ちゃんと優ちゃんの2人が探して、見つけた時のタイムを競うというものだった。


その際のルールは、

・正くんか俺の隠れていない方は、隠れるのを確認する。

・隠れる時には、杏奈ちゃんと優ちゃんは目を閉じて、耳を塞ぐ。

の2つだった。



(あまりにも僕が不利じゃない?‥‥だって、優ちゃんなら、僕の場所くらい始まった瞬間に分かるだろうし。)


「流石に僕が不利過ぎるんじゃない?」

「俺の考えが間違ってるわけないだろ!」

正くんは俺の意見を認めたくないのか、理由も聞かずに突き放す。


(情緒がぐちゃぐちゃ過ぎる‥‥。)

もう、勝敗なんかどうでも良いや。なんか、疲れちゃった‥‥。



「そうだ!負けたら、玲司、お前は杏奈に2度と話すんじゃないぞ!!」

正くんは思いつきのように言い放ち、真反対の反応する女の子が2人——優ちゃと杏奈ちゃんだ。



優ちゃんはライバル(?)ではないけど俺の周りをうろつく女の子を追い出せると思ったのか


「それは良いなぁ‥‥これで、私と玲ちゃんの幸せな世界が守れる。」

そう言いながら、喜びを噛み締めているのか俺の腕をこれでもかと抱きしめて「ふふふ」と笑っていた。



杏奈ちゃんは、無表情の顔を正くんに近づけて、


「ねぇ、なんで?なんで、あんなことを言ったの?ねえ、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで‥‥」

と、まるで、呪詛で呪おうとしているのかと見間違える程の迫力だった。


(怖い‥‥。なんで、俺の周りの人には、常識を無視する人しかいないんだろ‥‥?)



杏奈ちゃんに呪われている正くんは慌てたように

「分かった!俺が負けたら、玲司と杏奈が話しても俺は何も言わねえ!!」


正くんは思い切ったことを言う。そして、その言葉を聞いて睨み合う女の子が2人。


「‥‥‥。」

「‥‥‥。」

2人は何も言わずに、ただただ睨み合う。


その異質な空間に正くんは引いていた。‥‥君が言ったんだよ?


(正くんは本当に約束、守るのかな?)

ただただ、俺は正くんのその態度が

「やっちまったぁぁぁ‥‥。」と言ってるようにしか見えなかった。‥‥どんまい!















しれっと、優子への想いを言う玲司と窮地に自ら追い込む正くん。


夏休み‥‥もうちょい投稿してると思ってました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る