第28話 2人の世界、おままごと。
「え‥‥、え?、優ちゃん、どうしたの?」
「私ね、玲ちゃんと喧嘩してもね、すぐに仲直りしたいの!だから、その練習がしたいの!」
練習‥‥?まぁ、悪くないかもしれないけど、
幼稚園児がこんなこと考えるか?
‥‥ネネちゃ——
「‥‥ダメかな?‥玲ちゃん?」
——やります!
‥‥この感じでいつも断れないでいる気がする。
「じゃあ、玲ちゃんが帰って来たところからスタートね!後、このカバンも持ってってね!」
「うん?、分かった!」
こうして、おままごとが始まった、
「ただいまー!」
「おかえりなさい!今日のお仕事はどうだったの?」
「うん、順調だったよ。」
そう言って、カバンを渡す。
ここまでは、いつものおままごとの流れと同じだ。‥‥もう、このまま終わっても良いんじゃないかな?
「あ、あなた!このカバンの中!?」
「え!、どうしたの!?」
びっくりして、振り返る。
そこには、
女の子用のパンツを持っている優ちゃんがいた。
「ぶッ!!!」
俺はあまりのデジャヴ感に吹き出してしまう。
「ふざけないで!
あなた、これは、どういうこと!?」
と言って、詰め寄ってくる優ちゃん。
(カバン用意した時点で準備したの優ちゃんじゃん‥‥。)
‥‥仕方ない、優ちゃんに付き合おう。
「いや、これは違うんだ!偶然なんだ!」
「何が違うの!?カバンの中にパンツが入る偶然って、どんな状況よ!」
それは、そう。本当になんで、パンツなんて入れたんだよ!
「そ、それは——」
「‥‥まさか、私に飽きちゃった‥?」
(それは違う!)
優ちゃんを飽きるなんて絶対にありえない!
「私は、この家を出て行かせて頂きます!」
「待って!!」
そう言いながら、優ちゃんの手を掴む。
「離して!浮気する、あなたなんて、‥‥大っ嫌い!!」うるっ
あれ、ちょっと‥‥涙目?演技?
離婚しそうな夫婦を演じようとしているのかな?
「僕も君なんて、大っ嫌いだ!!」
そう言いながら、目をつぶる。
‥‥ちょっと、見ながら言うのは辛かった。
「うっ‥‥、うぅ‥うぅぅ、」
その『涙声』を聞いて、すぐに目を開く。
目に映る優ちゃんは大粒の涙を流しながら、俺に抱きついていた。
パンツの伏線回収!
言葉にすると大分、最低ですね!、笑
後、この作品はフィクションであり実在の人物・団体名とは一切関係ありません。
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