第18話 君と歩く、遠足。③
「許さない‥‥!!」「パン!!!」
と、優子が祐樹くんに強烈なビンタをしたのだ。
「な、な、なにすんだよ!」
と、祐樹くんが怒るが、
「あなたが、れいじくんを、つきとばすからでしょ。」
と、とうとう、祐樹くんの名前も呼ばず、優子があっさりと答える。
「おれが、そんなことするわけ、ないだろ!!」
と、祐樹くんが叫ぶ。
‥‥いや、突き飛ばしたのはホントじゃん。
でも、ここまでくると、ちょっと可哀想に、なってきた‥‥。
(どうしよ、放置するか?)
俺がこんなことを考えている間も、2人は口論を続けていた。
そして、
「私はあなたのことが嫌い!話しかけないで!!」
と、優子がとどめをさす。
この言葉が祐樹くんに突き刺さり、
「‥‥う、‥‥うぅ‥う、
うわぁーーん!!!」
と、今まで、気丈に反論(?)していたが、
とうとう、堰を切ったかのように泣き出してしまった。
(本当にどうしよう?)
俺がそんなことを考える必要もなく、騒ぎを聞いた由美子先生が駆けつけた。
「ど、どうしたのー!あらあら、泣いちゃって。」
と、かなり心配していたが、
「とりあえず、話は後で聞くとして、‥‥離すしかないかなぁ。‥‥‥めんどくさいなぁ。」
と、由美子先生の心の声が漏れていた。
(‥‥うん、本当にご迷惑おかけします。)
まぁ、大人はそんな感じだよな。
俺が社会人の時もそういうことばっかり言う上司がいた。
そうこうしていると、由美子先生が別の先生に指示を出し始めた。
「じゃあ、大輝先生、優子ちゃんと玲司くんを後ろの方にお願いします。」
「はい、了解しました!」
そう言う大輝先生は名前の通り、184cm越えの大きくて、いつも大きな声で喋る太陽のように輝いている24歳で新人の先生だ。
「それより、‥‥由美子さん、‥あの時の返事は出来れば、今夜‥‥くれると‥。」
と、大輝先生がいつになく小さな声でそんなことを伝える。
「!!———そ、それは、‥‥分かったわ今夜——」
「せんせい?」
流石に居た堪れなくなった俺は、それを止める。
「だ、大丈夫よ!さぁ、大輝先生連れてってくださいね!」
「由美子さんを‥‥?」
「も、もう、それはいいから!!」
(本当に居た堪れない‥‥。)
今回はそういう関係の由美子先生と大輝先生でした!
2人の関係を書くのも面白そうですね!
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