第3話 そうそうに離婚の危機。

「僕、2人に喧嘩して欲しくない。」


もう、一度終わってしまったんだ。

不意に、涙が流れる。何故だ?


「れ、れいじ?‥‥あ、すまない。

もう喧嘩はしないよ。なぁ。」


「え、えぇ、当然よ。

だから、玲ちゃん、心配しないでね〜。」


「うん、わかったぁ。」


「「?」」


不思議そうに俺を見つめる両親はそのまま、ソファに座った。


そりゃあ、不思議がるか。急に2歳児が発音よく話し始めたんだから。


「これから、気をつけよう‥‥。」


そうして、しばらく経った。


そして、俺は今、女性ものの派手なパンツを持っている。


いや、盗んだわけではない。

なんなら、母さんのものでもない。


父さんの『浮気相手』のものだ。


「‥‥はぁ、何やってんだよ。」


俺は今、迷っている。

このパンツをどうしようかを。


作戦はある。


それは、父さんにこっそり渡す。

これが1番良い。

だが、問題がある。それは、父さんが今、仕事でいないことだ。


「仕方ない、こっそり父さんの部屋のバックに入れるか‥‥。」


両親は今、冷めきった関係だ。

だから、寝る場所は別々で。母さんもわざわざ、父さんの部屋に入らない。


「不幸中の幸いだな‥‥。いや、そもそも冷めきった関係じゃなければ、こんなことにならなかったのか‥‥。」


はぁ、俺は結構大変なことしようとしてるのか?


「とりあえず、やるか‥‥。」


それから、俺は慎重に進んだ。

そして、なんとか父さんの部屋の前まで着いた。


「扉は‥開いてるか‥‥。」


偶然にも扉は開いていて、入ることが出来た。


だが、問題が生じた。


「ママ。」


母さんがいた。


「どうしたの?玲ちゃん?」


やばい。仕方ない。ここは、逃げる。


「なんでもないよ。」


「そう?ふふふ、玲ちゃんは可愛いわねぇ。

私は玲ちゃんのこと好きよ〜。」


「うん!ぼくもママがだいすきだよ!!」


「!?」


そして、俺は急いで、その場を後にした。

だから、気づかなかった。


「子供の好奇心は凄いわねぇ〜。

‥‥だから、あんな物まで持ってきちゃうのかしら?」


とっくにバレていたことを。


「今まであの人にしか似ていないと思ってたけど、『私にも』似ているのね‥‥。」







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