宇宙の歌

葉島航

第1話

 宇宙船はドーナツの形。

 金平糖のような惑星が、その横を通り過ぎた。

 ドーナツは、真っ暗な空間に取り残される。


 コマチが冷凍睡眠から目覚めたのは、二七九四年の四月だった。


 彼女を出迎えるものは誰もいなかった。

 宇宙船はドーナツの形。

 砂糖の粒よりも小さな彼女は、たったひとりだった。


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