第4話 担任の先生が隣に引っ越してきて色々あやしい

 翌日、登校してみると翠さんこと伊月先生は何も変わらぬ様子で朝のホームルームを始めた。絶世の美人が赴任してきたとあって学校中の話題を掻っ攫っているが、誰もが髪の毛が緑色であることに首を捻っている。確かにエロゲの世界では緑髪=不人気という言説もあるが、こと現実世界では好奇の視線が注がれて逆に人気があるようだ。

 俺はというと昨日の夜のことがどうしても頭を離れず、翠さんを警戒している。未来の二次元からやってきたエロゲのヒロイン……なんて話が信じられるわけもない。だがボヤイッターで俺が投稿しようとしていた内容を言い当てたことから推測すると「未来から来た」のは本当かもしれない。

(よく寝た)

 今日も今日とて徹夜したので授業中は寝ていた。ただし、昨夜はネットに投稿するエロ小説を書いていたわけじゃない。書いていたのはエロゲのシナリオである。ゲーム作り未経験だが泣きを言ってる暇なんてなかった。とにかく自分にできることをやるしかないと判断した俺は、一晩で可能な限りのシナリオを書き上げたのである。

 放課後のホームルームが終わって翠さんが教室を出て行くと、その後にゾロゾロとクラスメイトたちが続いていく。色々と話しかけている様子だった。

 俺はいうと、そんな人の流れを遠目に確認しつつ教室の後ろの扉から逃げ出す。また翠さんに絡まれたら厄介なことになる。

(さて。部活だ、部活)

 2年A組の教室を出て廊下を進む。目指すは校舎北の一番隅にある「歴史資料室」だ。ただし「歴史資料室」とは名ばかりで実際は倉庫と化している。そこで我が部活「二次元コンテンツ研究同好会」が開かれている。これはその名の通り部活ではなく同好会で、所属メンバーは俺とマリアの二人だけ。書いて字の如く、創作方面で二次元のコンテンツを研究していた。

 途中の職員室で歴史資料室の鍵を受け取ってから足を運ぶと扉の前でマリアが座って待っていた。黒い癖っ毛と眼鏡はいつも通り。膝を三角に折り曲げてタブレットPCを乗せ、ペンを走らせている。

「パンツ見えてるぞ?」

「……」

 反応なし。なお下着の色は黒だった。

 絵を描いているときのマリアの集中力はすごいので、俺にパンツを見られたくらいでは全く動じない。仕方ないので無視して鍵を差し込む。引き戸を少し引いてやるとようやく立ち上がってくれた。鍵を開けた俺よりも先に歴史資料室に入り、そそくさといつもの席に座ってお絵描きを再開する。

 室内の壁際には段ボール箱やらビニール紐で括った本やらが積み上がっていて狭苦しいが、中央にはスペースを確保して長机を置いている。マリアの定位置は入り口から一番遠い窓際だ。ここには秘密基地的な素晴らしさがある反面、パイプ椅子だから長時間座っているのがきついし冷暖房が貧弱である。しかも顧問の先生もおらず、文化系の部活動の中では扱いは最低ランクだ。

(ま、おかげでやりたい放題だけどな)

 リュックの中からノートパソコンを取り出し、マリアの斜向かいに座る。だが腰を下ろした途端にマリアの方が立ち上がって「ん」と壁を指さした。

「おいおい、またかよ……」

「早く」

 まったく忙しない。立ち上がった俺は言われるがまま壁の方を向いて立った。そんな俺の腰にマリアは背後からしがみついてくる。身長差があるので顔は腰のあたりに埋もれて息がかかり、くすぐったい。腕はぎゅっと力を込めて腹を締め上げてくる。体温が伝わってきて暑苦しいが、この状態での文句は厳禁だ。

「臭い。ちゃんとお風呂に入って。あとエナドリ飲み過ぎ」

「そう思うなら背後から抱きついてくるなよ」

「これは充電」

「はいはい」

 幼稚園からの付き合いなのでマリアの持つ妙な癖には慣れてしまった。人目のないところで背後から抱きついてくるのである。どんな顔をしているか見えないが何を充電しているんだか……

 しばらく動かないでいると満足したのかマリアの身体が離れて席へと戻る。いつもの平坦な表情で黙々と絵を描き始めた。俺もカタカタとキーボードを叩いてエロ小説を書き始める。ここから先は切り出すタイミングが大事だ。チラチラとマリアの様子を窺いながら話しかける機会を待つ。マリアのペンが止まったのは三十分後だった。

「なぁ、マリア」

「なに?」

「絵を描いて欲しいんだ」

 顔を上げたマリアはピクリと片方の眉を動かして俺を見た。大丈夫、機嫌は損ねていない。もし乗り気でないなら顔すら上げない筈だ。

「またエロ小説の挿絵?」

「いや、小説じゃない」

 今度は両方の眉が動いた。これを芳しい反応と見るか、そうでないと見るかは難しい。

 マリアに絵を描いてもらったことは過去に何度もある。一番最初は幼稚園の頃に作った紙芝居だ。絵本の内容が気に入らなかった俺はストーリーを書き換えてシナリオを作り、マリアにイラストを描いてもらったのである。その後も、俺が話を考えてマリアが絵を描くという合作はいくつも作ってきた。最近ではミッドナイトノベルに掲載するエロ小説の挿絵を描いてもらっている。

 ゲームを作らなければ憧れのエロゲメーカーに入れない。その難題をクリアするためにマリアの協力は不可欠なのだ。

「エロゲを作る」

「……」

 無言のまま半眼になってしまった。どうにも旗色が悪い。このままじゃまずいと思い、ノートパソコンの画面を向けてエロゲ用のシナリオを見せてとにかく説明してみせる。一晩、考え抜いた傑作だ。だが話せば話すほどマリアの眉間にはシワが寄って部室の空気が重くなっていく。ようやく口を開いてくれたときには、鼻声のトーンが二段ほど低くなっていた。

「わたしは何枚の絵を描けばいいの?」

「えっと…… 多分、20枚くらいかな」

「いつまでに?」

「あー…… いつまでだろ?」

「……」

 ペンが再び走り始めた。気のせいか、さっきよりも力が篭っている。マリアは顔を上げずに作業に没頭してしまった。こうなると話しかけても返事をしてくれない。言葉にこそしていないが返答は「ノー」ということだ。

 いや、ここで負けてはいけない。俺の夢がかかっているのだ。どうにか食い下がろうとマリアに話しかけてみる。そんなことを繰り返しているうちに絵を描く手をピタリと止め、眼鏡の位置を直したマリアは口を尖らせた。

「無理」

「いや、でも」

「無理」

 ……これ以上はダメだ。そう痛感した俺は項垂れてパソコンの作業に戻った。

 同人でゲームを作ってイベントで1000本売る。ファーストステップで早くもコケてしまい、その壁があまりにも高いことをあらためて思い知らされた。



 歴史資料室の鍵を閉めて学校を出る。マリアと分かれて帰路につくと絶望感のあまり体重が三倍くらい増えた気がする。それほど体が重い。確かに俺はゲーム制作経験ゼロだが、マリアの協力を得られればなんとかなると考えていたのだ。

 あいつは生まれてからずっと『自分が納得できる絵』を描くことばかり考えながら生きている。時間さえあればずっと鉛筆だろうがクレヨンだろうがパソコンだろうがとにかく描きまくっていた。その努力と天性の才能によって高校生ながらトッププロ並の技量を持っている。

 マリアもボヤイッターのアカウントを持っているがイラストをアップするだけで絶対に文章は投稿しない。それでも三十万人もフォロワーがいた。これは下手な企業や芸能人以上の数値であり、俺の三十倍以上も注目を集めていることになる。

「はぁ……」

 何回目かわからない深いため息を吐く。我が家はすぐそこだった。錆びた外階段を登り、共用通路を一番奥まで進んで玄関の鍵を開ける。いつの間にか引っ越してきたお隣さんは既に帰ってきているらしく、人の気配と物音がする。

 適当に靴を脱ぎ散らかしてゴミだらけの台所を抜け、ごちゃごちゃと本が積み上がった自室でリュックを下ろした。だがノートパソコンを広げるだけの気力がない。これじゃイカンと感じて冷蔵庫からエナジードリンクを取り出して一気飲みする。けれどあまり効果がなく、身体はだるいままだった。

「とりつく島もなかったなぁ」

 気難しい性格は理解しているつもりだった。小説の挿絵を頼んで断られたこともある。しかし今日のマリアはそれに輪をかけて不機嫌だった。憧れのエロゲメーカーに就職するという夢が頓挫しかけて泣きそうだ。なんでこんなにも上手くいかないんだろう?

 スマホで今の気持ちをボヤイッターに投稿する。ゲーム作りしようとしたけど、仲間が集まらなかった……と。そんなぼやきを投稿すれば誰か慰めてくれるなんて甘い考えをしていた。しかし今日に限ってリプライがない。

 余計に気持ちが沈む。ひどく落ち込んでいると玄関で呼び鈴が鳴った。無視していたら呼び鈴が連射され始めた。おいおい、いったいなんなんだ……俺は傷心なんだよ。

 仕方なく玄関を開けると、そこには緑髪に白スーツの女性が笑顔で立っていた。

「新聞なら間に合ってます」

「あっ! どうして拒絶するんですか、ヒロキさん!」

 慌てて扉を閉めようとしたら手を捩じ込まれてしまった。確認せずに出たことをこんなにも後悔するなんて!

「さすがに自宅に乗り込んできたらドン引きする!」

「ご、誤解です! 隣の部屋に引っ越してきたのでご挨拶をしようと……」

「余計に引くわ! ストーカーだよそれ!」

「違います! 私は純粋な気持ちで髪の色の設定を変えて欲しいだけで、そのお願いに!」

「人気キャラになりたいからって言ってただろ! 不純だよ!」

「エロゲのヒロインとして生まれた以上、人気が欲しいのはごく当然の欲求ですって!」

 悔しいがパワーで勝てず、扉が開いて翠さんの侵入を許してしまった。

 お互いに全力を出したので肩で息をしている。分かってはいたが翠さんは背が高く、175センチある俺とほぼ同じくらいの目線の高さだった。

「これ! ご挨拶の引っ越しそばです! 一緒に食べましょう!」

 コンビニのビニール袋を差し出され、思わず受け取ってしまう。中にはお湯を注ぐタイプのアルミ皿のそばが二個入っていた。

 ちょうど腹が減っている。かといってこんな見え透いた手に引っかかりたくない。俺がそんな葛藤していると翠さんは咳払いし、真面目な表情を作った。

「さっき、ヒロキさんのボヤイッターをチェックしました。今日、大変困ったことが起こりましたね?」

「うわっ、リアルで自宅凸されてる俺?」

「言い方がひどい! いえ、それはさておき。私はヒロキさんの力になれます!」

 自信ありげに自分の胸を叩く翠さん。スーツがはち切れんばかりのたわわな双丘はその衝撃で大きく揺れた。本当に胸大きいなぁ……エロゲのヒロインだもんなぁ……

「エロゲを作りたいのに作り方が分からなくて困っているんですよね?」

「その通りだよ。もしかして翠さん、ゲーム作りしたことある?」

「いえ、ありません!」

「帰ってどうぞ」

「どんどん扱いがぞんざいになってませんか!?」

「あー……」

 話を聞いた方がいいんだろうか、このシチュエーションは。涙目で訴えてくる姿に後ろめたさを感じてしまう。

「元気がないときはまず腹ごしらえですよ! さぁさぁ、一緒に食べましょう!」

 結局は引っ越しそばを食べることになった。押し切られてるじゃないか俺。

 ヤカンでお湯を沸かしてそばの器に注ぎ、出汁と混ぜる。パック詰めされた揚げ物を開封して上に乗せた。しかし、座る場所がないほど散らかっているので台所で立ち食いすることになる。お皿は熱いので雑誌のタワーをテーブル代わりにした。俺一人ならどうにか座れるスペースが確保してあるが、翠さんと二人で座れる場所は無い。この家は来客など想定していないのだ。

 まさかアパートの台所で立ち食い蕎麦を食べることになるとは想像していなかったのだろう。翠さんは人差し指で眉間を抑えている。

「お邪魔しておいてこういうことを言うのは失礼なのですが、部屋の片付けが急務かと思われます」

「人が来る想定なんてないからなぁ……」

「ご友人が遊びに来ることは?」

「聞かないで」

「あ、はい」

 察してくれたあたりに優しさを感じつつ、蕎麦の味が染み入る。おざなりながら引越の儀式を済ませたところで「ごちそうさま」をし、翠さんは話を続けた。

「私はゲーム作りをしたことはありません。しかし、プロジェクトを達成するために必要なプロセスを教えることができます。なんといっても先生キャラですからね!」

「もしかしなくても『しろクロこんたくと!』の中でも先生だったの?」

「はい。主人公のクラスの担任の先生です。現実世界で同じことしたら、生徒と淫行に及ぶという羨ましけしからん事案になってしまいますけど」

「当事者に堂々と言われると背徳感が薄れるなぁ……」

「残念ながらヒロキさんにはワンチャンありません。二次元ならともかく、現実世界の未成年とセックスしたのがバレたらエロゲの神様から恐ろしい罰が降ります。パッケージの裏にも書いてありますよね。18歳未満とはプレイできません、と」

 その端正な顔であっけらかんとセックスなんて言ってほしくなかった。ついでにエロゲのパッケージ裏の文面が微妙に違う気がする。知れば知るほど中身がガッカリな人だ。もしかして人気が無いのは髪の色じゃなくて、この性格のせいなのでは……いや、深く考えないようにしよう。

「プロセスを教えるなんて言われてもピンと来ないよ」

「私を信じてください、ヒロキさん! 今のヒロキさんに恩を売っておくことで、ふと私のキャラ設定を思い付いた際に『そういえば緑髪がイヤだって言ってたな』と他の色に変えてもらえるようにするための布石なのですから!」

「翠さんがクッソ正直な人だってのはよく分かった」

「そ、そんなにストレートに褒められると照れますね……」

「ついでにすごく前向きな性格している」

 その割に不人気なのを気にして、わざわざ過去の現実世界に来たわけだ。人気の有無でかなりのコンプレックスを持っているのは間違いない。

「ヒロキさん、いつもボヤイッターでぼやいているじゃないですか。『キャラクターとは常に作者の一部なんだ』って。私が正直で前向きなのも、ヒロキさんがそうだからですよ!」

 ちょっと皮肉ったつもりだったのに、そんなにキラキラ眩しい返しをしないでください。俺がバカみたいじゃないですか。確かにキャラクターは作者の一部だって発言しているし、そう考えながら創作している。けど、こうして自分が産み出した(と本人談)に指摘されると本当に恥ずかしい。俺は正直でも前向きでもない。

 誤魔化すために腕組みして悩んだ挙句、藁にも縋るべきだと判断した。実際、他に打つ手なんて考えついていないのだから。

「分かった。そのプロセス、俺に教えてください」

 頭を下げると、翠さんはまた俺の手を取って握る。顔を上げると嬉しそうな笑顔が目の前にあった。

「任せてください。必ずやヒロキさんのプロジェクトを成功に導いてみせます!」

 やっぱり眩しい。三次元に興味のない俺から見ても魅力的な笑顔だ。

 それとあまり手を握らないでくれますか? いくら俺でも勘違いしそうになるから。

「では、早速実行に移しましょう!」

「え? 今から?」

「はい! やると決めた瞬間から行動を始めるのです。行動しなければ何も始まりません!」

「そりゃそうだけど……」

 確かに翠さんは作者たる俺の一部かもしれない。妙に行動力があって即決即断してしまうところが似ている。

 翠さんは俺の片手を握ったまま、もう片方の手をミュージカル女優よろしく広げて室内を指す。実に汚い。今更ながら担任の先生にあがってもらうような場所ではない。

「まずは部屋の掃除から始めましょう!」

「いや、確かに散らかっているけどゲーム作りとは関係ないような……」

「大アリです! さぁ、さぁ! 考えながら手を動かすのです!」

「え~……」

 なんかとんでもないことを言い出したぞ。俺のときめきや感動を返してくれ。抗議しようにも急かされてしまって反論できなかった。なんだか騙された気持ちのまま、空になったエナジードリンクの缶を拾ってゴミ袋に入れ始める。

 でも翠さんと話したら落ち込んだ気持ちがかなりマシになっていた。少なくとも絶望感は胸に残っていない。部屋の掃除が本当にゲーム作りと関係あるのか疑わしいけど。

「さ、床が見えてきたところで雑巾掛けです!」

 スーツのジャケットを脱いで黒いブラウスだけになる。胸の部分はなだらかなカーブを描いている。やはり大きい。なんて大きさだ。三桁はあるんじゃないだろうか? 俺の視線に気付いた翠さんは咄嗟に両手で胸を隠す仕草をする。悪戯っぽく笑っていて、恥ずかしがった様子はない。

「ふっふふ、不人気キャラとはいえ私のボディも捨てたものではないでしょう? 伊達にイチャラブエロゲのヒロインをやっているわけじゃありませんよ」

「さ、三次元になんかキョーミねーし」

「ヒロキさん、ボヤイッターでいつも言ってますもんね。三次元には興味ないって。受肉してしまった今では三次元かもしれませんが元は二次元出身です」

「受肉って言うな生々しい」

 変な意地を張って視線を逸らす。そうすることで年上のお姉さんに弄ばれるくすぐったさに耐えようとする。この状況をどこか喜んでしまっている自分を恥じ、己の心はエロゲと共にあるのだと誓いを再確認しておく。

 そのとき、俺を嘲笑うかのように雑巾掛けの姿勢になった翠さんのブラウスから長い乳が織りなす谷間が露わになる。男の子の本能と、男の子の意地のどちらが強いかなんて論じるまでもない。ガン見してしまった。

「ふふふ……」

 だめだ、完全に遊ばれている。こんな状況で掃除を続けろと言うのは非効率的じゃないですかね?

 無心。無心だ。集中しろ。そう繰り返してなんとか掃除に目処が立ったところで時計を確認する。既に夜10時を回っていた。

「はっ!? いけない! ヒロキさん、時間です!」

「今度は何……?」

「急いでお風呂に入ってください。その後、30分間はスマホもパソコンも使わずリラックスして、布団に入って寝るのです!」

「えぇ……」

 なんて難易度の高いことを言ってくるのだろう。無理に決まっている。風呂に入るだけならともかく、スマホもパソコンも夜更かしも俺のライフワークなのに。

 露骨にイヤな顔をしていると翠さんはガシッと俺の両肩を掴んでくる。猛禽類の爪に捕らえられた気分だ。

「これもゲーム作りの一環です! 必要なプロセスなのです! ひとりでお風呂に入れないのなら背中を流しますし、眠れないならスヤスヤになるまで子守唄を歌って添い寝してあげます! さぁ、就寝まで忙しいですよ!」

 結局、どっちも断った。

 俺が寝付くまで翠さんは自分の部屋に戻らず監視を続けたのは言うまでもない。

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